いよいよお試し移住。サバイバルグッズは必須です!?【モヤモヤ大学生の旭暮らし回想録#2】 2020.05.15 コラム Post Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it モヤモヤ大学生の旭暮らし回想録では、現役大学院生の市川里穂さんが、大学生だった頃、豊田市旭地区に短期滞在したこと、その前後をふり返ります。田舎出身なこと、自分について、モヤモヤしていた里穂さんの目に田舎はどう写ったのでしょう? カバー・文中イラスト:るり(Twitter@kknk_1217) 第1回目のコラムはこちらから↓ 2020.04.14目からウロコの田舎があった!【モヤモヤ大学生の旭暮らし回想録#1】幼いころから田舎を好きになれなかった。それ以上に、住み慣れた地域を誇れず、うまくいかないことを生まれた環境のせいにしてしまう自分のちっぽけさも好きになれず苦しかった。けれど大学2年生の時、豊田市の田舎、旭地区に3週間滞在したことが私にとっての転機になった。… ジリジリと太陽が照りつける、大学二年生の夏休みがやってきた。 同じ部屋に住むルームメイトたちは、学期末のテストが終わるとすぐに帰省していったけれど、私は5人部屋に一人で住み続けていた。一人で過ごす寂しさを感じながらも下宿先に残ったのは、もし田舎にある実家に帰省したとしても、やることがなくさらに気が滅入ってしまうのが想像できたから。 マンネリ化したバイトを続けて、ありあまる時間を潰していた。そんな中、旭でのお試し移住に向けてMessengerで高野先生と連絡を取り始めた。高野先生に持ち物を尋ねると、 「サバイバルグッズは必須です。」とのこと。 でも、 ”サバイバルグッズ ”って具体的に何を指すのか分からない。「サバイバルグッズとは」をネットで検索するうちに「旭って、うっかり遭難したり、野生動物が襲い掛かってきたりする場所なのかな」と不安が芽生えた。 TEDxNagoyaUで高野先生のプレゼンを見て、旭へ行くことを即日即決した私。具体的な情報が少ないので、後から心配になってくるけれど、行くのをやめようとは思わなかった。地元とは違う田舎への興味が、退路を断ってくれたからだ。 ぼちぼちと必要なものを揃えて、7月末に豊田市駅からおいでんバスに乗り込む。目的地は、さなげ-足助線の終点【百年草】。 豊田市駅周辺を少し過ぎると住宅街が見えていたのに、バスが進むにつれて、みるみるうちに、緑の木々が生い茂る景色へと移り変わっていく。これからの生活にどきどきしながら、窓の外を眺め続けた。 2時間ほどバスで揺られた後、【百年草】で下車した。 高野先生が軽トラで迎えに来てくれていた。 2か月前にTEDxで会った時と変わらない、やわらかな笑顔を見て、それまでの緊張が薄れる。 軽トラに乗せてもらい、うねうねした山道を走ること20分。旭地区にある、株式会社M-easyの社員寮・福蔵寺に辿りついた。 当時、高野先生の他に、5人の移住者が住んでいました (以前、縁側の記事になった浅野陽介さんもその一人です)。 2020.04.02生業はひとつじゃなくていい。無職で移住し、多業家になった浅野さんの実践ストーリー2016年 7月17日、豊田市旭地区で開催された夏のイベント「おいでんあさひ風鈴まつり」。毎年恒例の催しだが、この日は少し様子が違う。どこを見ても、道行く人が着ているのは、色違いのお揃いの T シャツ。… 私もここを拠点にして、3週間旭地区に住む予定になっていた。 まずは、高野先生がそれぞれの部屋の使い方や生活の仕方を教えてくれる。 台所のテーブルに溢れ返りそうな野菜が目に入り胸が躍った。 トマト、なす、きゅうりといった夏野菜がテーブルいっぱいに並んでいる。どれもつやつやしていて、目で見ただけでも美味しいのが伝わる。 あからさまに喜ぶ私に、高野先生は教えてくれた。 「ここにある野菜って、近隣の人がおすそ分けしてくれるんだよね。あとここに住んでいる何人かも畑をやっているから。だから金銭面でピンチになっても、ここではとりあえず食べ物には困らない。生きてはいけるんだよね。」と。 それを聞いて、びっくりすると共に感心した。 お金に頼らずともある程度の食料があって、命をつないでいける場所って安心だなぁ…と。 同時に、かごいっぱいのトマトを見て懐かしい記憶がよみがえってきた。 そういえば、小学生のころまでお隣に住んでいたおじいちゃんおばあちゃんが、夏になると畑でとれた大きなトマトを 手渡しでくれたんだっけ。それを水で洗って、塩だけつけて丸かじりするのが大好きだったなぁ。 もう何年も前に天国に行ってしまって2人の畑もコンクリートで埋まっちゃったけれど、本当に優しかったなぁと、急に感慨深い気持ちになった。 その翌日は、ちょうど福蔵寺ご縁市の日でした。 福蔵寺ご縁市とは、旭地区の福蔵寺で、年3回、春・夏・秋に開催されるお寺のマルシェ。地元の人たち以外にも、市街地からたくさんの参加者が集まるイベントだ。(*今年度は新型コロナウィルスの影響により、開催中止になりました。) この日は、30種類以上の出店があった。 流しソーメン、五平餅、ピザ、スパイスカレー、手作りパン、焼き菓子、消しゴムはんこ、ガラス細工など、大人から子どもまで楽しめる店が勢ぞろいしていた。 参加者が出し物を披露するステージもあり、地元の合唱団が歌ったり、落語をやったり、ピアノの連弾をしたり…とこちらもバラエティに富んでいる。高野先生は趣味のトロンボーンを演奏して、歓声をもらっていた。 年齢も住む場所もちがう人たちが、ゆるくつながり、共存している。 「カオスな空間だなぁ」と思った。 そしてふと、自分に意識を向けると、なんだか呼吸が深くなっている。 …とても息がしやすいことに気付く。 地元でも都会でも、“こうあるべき”に捉われて息苦しくなっていた私は「心地の良いカオス」の中に身を置きたかったのかもしれない、と感じた。 その時のご縁市で撮影した、山里混声合唱団こだまのみなさん。メンバーは旭地区や足助地区に住んでいる 実は、この福蔵寺ご縁市で、高野先生が私を旭地区の移住者のみなさんに紹介してくれた。 「えっ、一人で来たの!?」と驚かれながらも、歓迎されているのが伝わってくる。 近いうちにいつもの暮らしを見せてもらえないかお願いすると、快く「おいで~」と言ってくれて、ほぼ白紙だった3週間の予定がするするーっと埋まっていった。 市川里穂4,425 views 大学時代、モヤモヤしていた頃、TEDを聞いたことがきっかけで豊田市旭地区のお寺に飛び込み滞在。「ミライの職業訓練校」に参加し、人生のモヤモヤを更に深めつつ、... プロフィール Post Share Hatena Pocket RSS feedly Pin it コラム モヤモヤ大学生の旭暮らし回想録, 旭地区 コメント: 0 釣り人が魚を育てて漁協のピンチを救う?組合長安藤さん×ヨソモノから組合員に... リノベーションをオススメする5つの理由【空き家を事業に使うメリット教えます... ピックアップ記事 コラム 田舎暮らしのSTAY HOME【田舎暮らしの現実#2】 2020.07.14コラム コラム ここに決めた!運命の物件に出会うまでの空き家巡り【いいかげん... 2020.06.10コラム コラム 外国の街並みは、どうしてワクワクするの?【空き家を事業に使う... 2020.04.24コラム 関連記事一覧 コラム あさぷろってなんだ?|なぁなぁ!田舎ってこんなに楽しいんだぜ... 2021.12.01 コラム 焚き火、どうでしょう?【「喫茶室転々」マスターが語る暮らしと... 2021.08.27 コラム ポンコツ夫の無計画脱サラ移住日記|第2話 ガス無し生活からカ... 2022.08.31 コラム 僕が暮らす田舎【田舎暮らしの現実#1】 2020.06.17 コラム 暮らしの中の「便利」という靴を脱いでみる【はだしで野生をとり... 2020.09.30 コラム 息子からの学び【はだしで野生をとりもどせ!#4】 2021.01.21 コラム 街と田舎、どっちも好きです|なぁなぁ、田舎ってこんなに面白い... 2022.04.06 コラム シフォンケーキをこじらせて【「喫茶室転々」マスターが語る暮ら... 2021.05.28 コメント ( 0 ) トラックバック ( 0 ) この記事へのコメントはありません。 この記事へのトラックバックはありません。 トラックバック URL 返信をキャンセルする。 名前 ( 必須 ) E-MAIL ( 必須 ) ※ 公開されません URL 上に表示された文字を入力してください。Δ
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