街と田舎、どっちも好きです|なぁなぁ、田舎ってこんなに面白いんだぜ!最終話
こんにちは、あさぷろ代表の上田光太郎です。
前回はメンバーのユウくんの素晴らしいお話だったので、その後書くことにすごいプレッシャーを感じざるを得ないですが頑張って書こうと思います。
というわけで今回は最終回!縁側さんから依頼をいただいて、これまであさぷろの今までを綴ってきたわけですが、その間にもたくさんのことがありました。商品開発のことや、団体のスタンスについての変化など。そんな団体の現在の形と、僕個人の今の気持ちを正直に吐露していきたいと思います。関係人口からより深い関係人口へ。これから僕はどうなるのか。
先日エコフルタウンで五平餅を作りました。作り方を完全にマスターしたので今後何かしらのイベントをしたいなと思っています。
あさぷろの今
商品開発をしています。
前々回のコラムでも少し言及しましたが、僕らあさぷろは商品開発をしています。具体的には僕の従兄弟が経営している、旭の和菓子屋松栄軒とコラボして地域をPRするお菓子を販売したいというもの。
まずはその経緯から。
僕たちあさぷろは街と田舎をつなげる可能性がある存在だと思っています。そこでどうしたらもっと街の人に田舎をPRできるか、ということを考えた時に生まれた答えがお菓子の商品開発でした。外の人にまずはお菓子を手に取ってもらって、そのあと田舎に対して関心を持ってもらいたい。そんな思いから松栄軒とコラボして商品開発をしよう、ということになりました。
獣害をテーマに
商品開発をする上で何をテーマにするべきか。僕たちはいままでのあさぷろでの経験を思い出しました。そこで思い浮かんだのが、こんな出来事。
ある日、田んぼの周りに柵をつくるお手伝いをしました。なかなか頑丈で高さもある柵で、正直これじゃ景観も悪くなるなとちょっと残念な気持ち。なんでこんな柵を作るのかなと思っていると、どうやらこれは猪や鹿から田んぼを守るためだそう。
衝撃を受けました。
今まで動物園や図鑑、奈良の鹿公園でしかみたことないような動物たちがここでは普通に存在していて、人間の生活に“害”を与えてしまっているということ。「獣害」というのを初めて肌で感じた瞬間でした。
ただ、動物たちには何も罪はなく、ただ生きているだけです。そもそも人間が原因で人里に動物たちが下りてきてしまったとも聞きます。
そんなことに思いを馳せるようになったのは、田舎に来たからこそだと思っています。
では僕らが衝撃を受けた「獣害」をテーマに商品開発をするのはどうだろうか、ということなりました。
商品名は「猪のおとしもの」
そうです。猪のうんちをテーマにしたお菓子です。突然ふざけるなよと思われるかもしれませんが、それには理由があります。
とにかく、田舎へのアプローチや「獣害」への理解の敷居を下げたいと思ったからです。僕たちが関係人口として旭と街を行き来する中で、街の子に田舎の良さを伝えたりすることもあります。「すごいねぇ」「面白そう」そんなふうに言ってくれますが、結局は他人事。もちろんそんな簡単なことではないですし、街の子たちの気持ちもわかります。
では、一方的に田舎の良さを主張するのではなく、自発的に田舎に興味を持ってもらうことが重要なのではないかと仮定しました。僕自身もそうでした。初めは別に田舎が好きだった、というわけではありませんでした。でも田舎に行ってみる中で面白さに気づきました。最初は些細なきっかけから、ほんとちょっと関わってもらえばいいんじゃないか。まずはいかに田舎にかかわる敷居をさげていくかが大事だろう、ということで「猪のおとしもの」になりました。
あさぷろ団体としての形
コミュニティをオープンに
次に団体のスタンスに関してです。この辺りに関しては、ずっと悩み続けてきたところでした。どうやったらあさぷろが続くのか、気持ちよく活動ができるのか。以前、地域の方向けにお話しするイベントをしたとき、それに関してある人から貴重な一言をいただきました。その人は、地域でコミュニティを立ち上げたことがありました。立ち上げの最初の方はゆるくみんなで集まって議論を交わすような楽しい場だったそうです。しかし、時を経ていくごとに、形がクローズドになっていったそうです。そこでお話ししてくれたのが、
「コミュニティを意識的に開いた空間にしていく必要がある」
どうしてもコミュニティはある共通の目的があると閉じていってしまいます。それは仕方ないかもしれませんが、田舎と関わっていく人を増やしたいと思っている僕たちとしては、それはすごく大きな問題です。
関係人口を増やしていくには、僕たちが受け皿として開けた環境を作っていくことが必要だと痛感しました。
ゆるくていいじゃないか
というわけで僕たちは、団体としての形をオープンにしていこうと決めました。今まで比較的きっちりと団体としての方針を決めようとしていたところを、ゆるやかにしていくことにしました。例えるなら、学生団体からサークルに。ただ、何も考えずに楽しむことだけをかんがえるわけではないです。僕たちがゆるく楽しんでいく中で結果的に地域への関心や興味が湧いてくれたらいいなという思いでいます。
なんだか、ゆるいものからきっちりしたものへ変わるのはよくありますが、きっちりしていたものがゆるくなる、というのは逆に新しいなという気がしています。
関係人口の本質
そんな中で、あさぷろ外の友だちをプライベートな雰囲気で呼ぶようになりました。薪割りをしてもらったり、その道中でたくさん話したり。
「あ、これが楽しいんだ」
イベントとして僕たちがもてなす、主催と客の関係ではなく、対等な人と人の関係性。それが一番心地いいんだなと気づきました。
僕の今の気持ち
田舎と街どっちもいいよね
田舎と街。僕はどっちも好きです。都会での生活に飽きたり、疲れて田舎に来る人はたくさんいますが、ぼくはどっちもいいなぁと思っています。まだ何も知らないから、なのかもしれないですが、世の中の若者って結構そんな感じなんじゃないかなって思ってます。
「田舎暮らしっていいよねぇ」って言ってる友達、たくさんいます。けれど実際にする人ってたぶんほぼいないと思います。それは絶対に関わりのきっかけがないから。僕は旭と元々関わりがあったので、特殊な関わり方のスタートでしたが、他の人は田舎に触れたいと思っても、キャンプなどの観光という面でしか触れられないのでは?と思っています。
一方いろんな自治体が移住促進の政策を考えてくれていて本当に素晴らしいと思うものの、さすがにいきなり住むという勇気はない。そんな感じの人ってたくさんいるんじゃないでしょうか。
関係人口を一つのゴールに
観光と移住の間の関わり方、それを移住までの途中経過としてではなく、一つのゴールとしてもいいんじゃないかなと思います。もちろん結果として移住する、というのは最高です。けれど、それが全てではなく、もっともっと関わり方の幅を広げていくべきなんじゃないかなと思うんです。
だからこそ、僕らみたいな関係人口としての関わり方をもっともっと定着させていきたいです。
正直僕もまだ移住する、とは決意できません。先程述べた通り、街も好きなので、もっともっといろんな世界を見たいと思っています。ですが田舎のことは大好きです。だからこそ、僕自身が関係人口としての生き方を自分の中のアートとして作り上げたいなと思ってます。次に田舎に来る人にとって「こんな奴もいるんだ、ならいけそうかな」と思ってもらいたいです。
最後に
長々と語ってしまいました。後半は特に僕のエゴばかりでした。正直共感できないところもたくさんあると思いますし、何言ってんだと思うところもあると思います。けれど、これが現時点の僕の到達ポイントです。優しく見守ってください。
これまで僕が5回とゆうくんが1回の全6回を執筆させていただきました。本当につたない文章だったと思います。情けない事ばかり綴ってたような気もします。けれど、「何もない若者が田舎に入るとどうなるのか」という実験の一事例だと思っていただければ幸いです。
田舎っておもしろい!
感謝を込めて
最後まで読んでいただいた皆様、本当にありがとうございます。こんな貴重な経験を用意してくれた縁側さんにも感謝の気持ちしかありません。
これからあさぷろがどうなっていくのか、ずっこけるのか、それとも飛び上がるのか、正直僕にもわからないですが、応援していただけると嬉しいです。今まで本当にありがとうございました!
ではまた!
上田 光太郎
1,750 viewsあさぷろ代表。2021年現在、名古屋市立大学の3年生で、休学中。母が豊田市旭地区の小渡町出身で、祖父母が和菓子店を経営している。その店のネットショップを開発...
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- なぁなぁ!田舎ってこんなに楽しいんだぜ!, 旭地区
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