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【求人】暮らしの足を支え 地元の人を愛し、愛される/足助川合自動車株式会社

縁側求人

縁側求人は雇用条件だけを見ていてはわからない、会社のこと、働く人のこと、地域のことをありのまま記事に表現します。人と人との関係、地域とのつながり、自然とのつながりのなかに自分らしい働き方を見つける人が増えますように。

 

公共交通の少ない山村地域。電車は通っていない。バスは走っているけれど、1時間に1本あるかないか。出勤や子どもの送迎、買い物、畑仕事など、日々の暮らしを支える命綱ともいえるのが車です。

 

田舎に住む人たちにとって、車がいつも通りきちんと動くことはとても大切なこと。
ある朝突然、エンジンがかからなくて修理に出したいとき、畑仕事に使う軽トラックの車検を受けたいとき、移住してきて車が必要になったとき、身近にあって頼れる存在。それが足助地区・平沢町にある足助川合自動車株式会社です。

 

父・川合忍さんが個人事業として始め、平成26年に株式会社として法人化。息子・敏晴さんが平成26年に社長としてバトンをゆずり受けました。
忍さんご夫婦、敏晴さんご夫婦、同じ苗字のアルバイト川合さん5人が働く家族経営の整備会社です。

 

1本ネジを締め忘れただけで人の命に関わるようなこともあるのが整備の仕事。

車を見れば、お客さんの顔が浮かぶ。そのお客さんは、プライベートで関わる友人や知り合いばかり。だからこそ、人並みならない誠実さで仕事に向き合い、その積み重ねで地域の整備会社としての信頼を得てきました。

今回募集するのは、将来的に社長・敏晴さんの右腕になっていけるような自動車整備士です。整備に慣れてきたら、商談、見積作成など幅広い仕事にチャレンジしていくことになります。

田舎で働き、人間関係を築いていきたい。そんな方はぜひ読み進めてみてください。

(撮影:永田ゆか)


 

足助地区の中心部から国道153号線を15分。

緑を感じながら車を走らせると、大きな看板が見えてきた。

約束の時間より早く到着して手持ちぶさたにしていると、

 

「どうぞ、中に入ってくださいよ」

 

創業者であり、「大将」と呼ばれている専務・川合忍さんが迎えてくれました。

12月らしい冬の寒さを感じる日。クリスマスの飾りに心くばりを感じる商談ルームは暖かくてありがたい。

「ひとりでやっていた時は、忙しかったねぇ。雪が降ると153号線で事故が多くって。警察からレッカーの仕事を請け負っていたから、事故があるとすぐに飛んでいってました」

 

忍さんが子どもだった頃、交通量の多い国道153号線で、故障する車をひんぱんに目撃していたそう。だったら整備の仕事をしようと思い立ち、中学を卒業して町の整備会社で修行。個人事業としてスタートしたのが足助川合自動車の始まりだったといいます。

 

「おかげさんで息子が後継ぐって言ってくれたから、安気にしています」

 

敏晴さんに社長の席を譲ると、体力的に大変な整備からは引退。
整備を終えた車を検査場に持って行ったり、中古車を販売したりするのが忍さんの最近の日課です。

 

「朝一番にここに来て、それからで近くの喫茶店に行くこともあります。定年過ぎたような友だちが集まっていてコーヒーを飲むのね。ガヤガヤしていると『車検やってくれや』とか『今度車買うで』という話が結構出てくる」

 

職場を出て、友人との打ち解けた時間が仕事につながることもあるんですね。

 

「地元の人に可愛がってもらってやるっちゅうのがね、一番大事なことだと思います。お客さんからの紹介がつながって今、こうやっておれる。足助から町に嫁いでも、車買うなら川合さんとこでって親しみを持ってくれるお客さんもいます」

納車などで市街地まで片道1時間以上かけて行くことも多い。

 

そんな時、同乗して忍さんをサポートすることもあるのが、2020年4月からアルバイトとして働いている川合貴子さんです。

「同じ川合なんですけど、親戚じゃないんですよ〜」ハキハキとした調子で話す姿が印象的です。

 

子育てサークルで顔を合わせていたこともあり、敏晴さんの妻・やすよさんとは気軽に話せる関係。とはいえ、ひとりだけ家族ではないという立場で働くのはどんな感じでしょうか。

 

「ここに来ると楽しい人が多いから、気分が上がります!」

 

掃除や電話応対のほかにも、商談ルームの装飾、配置換え、外に置いてある観葉植物の世話など自由にやっていいと言われているそう。

「花を持ってきて生けてみれば、きれいだねと声をかけて下さって。家族のみなさん関心持って、ほめてくださいます」

アルバイト、といえども貴子さんは足助川合自動車の一員として頼りにされています。

 

毎年、年末にお客さんに配る粗品。カレンダーと手帳がずっと定番でした。今回も同じもので良いだろうかとやすよさんから相談を受け、手帳の代わりにタオルはどうだろうとアイデアを出しました。

 

「確かに。スマホで管理することが増えたから手帳よりタオルの方がいいね」と採用され、事務所には真新しいタオルが準備されていました。

 

「ちょっと出かけなきゃいかんで失礼します」と、忍さんが立ち上がると、貴子さんが「大将、上着はおっていかなくていい?」と気を配る。

 

「いってらっしゃーい」と大きな声で見送る貴子さん。

 

信頼され、それに応えるように朗らかに働く。お互いに尊重しあう川合自動車の風土を感じます。

 

 

 

続いて話を聞いたのは、外出から戻ってきた社長の敏晴さん。

 

「いや〜、お待たせしてしまってすみません。車検を頼まれると、ここで整備をした車を自動車検査場に持っていって新しい車検証をもらってきます。今朝も往復2時間半くらいかけて行ってきました」

 

整備をするだけがお仕事ではないのですね。

 

「はい。電話を受ける、商談をする、見積書を作る、整備をする。仕事を受けてから終えるまでのすべての工程に関わります」

たくさんのことをやらなければならないのは大変に思えますが。

 

「どんな整備にどれくらいの時間がかかるかわかっているので、お受けする仕事の量を自分で調整できるのはメリットですよ。やり切れない量の仕事を受けることはないので、ほぼ、定時の5時半で終えることができています」

 

全体を把握できる良さもあるけれど、課題に感じていることもあるそう。

 

「例えば、ブレーキの修理のようにとても集中力が必要な作業をしているとします。そこに事務所で電話が鳴って他に誰もいない場合、出ないといけないですよね。作業が中断されることで、万が一やり忘れがあったりしたら、車に乗る人の命に関わることになります」

「そんなことが絶対にないように、気を配って仕事をしています。今は46歳ですが、年齢を重ねていけば衰えてくる。先々のことを考えれば、物忘れなどが心配になってきます」

 

足助地区や隣の旭地区には、整備会社がいくつかあるけれど、高齢化で廃業するところも出てきている。近隣のなかでは一番若い敏晴さんに、自分のお客さんを引き継いでもらいたいという声もあり、仕事は増えることはあっても減ることはない状況です。

 

「今後のことを考えると、僕のやっていることを分担できる自動車整備の資格を持った方に来てもらって、集中して仕事ができるようにしたいと思っています」

 

どんな方を希望していますか?

 

「できれば僕より若い方がいいかな。経験がなかったとしても、教えていくので大丈夫です。ディーラーで後輩を指導していたこともあるので、これを言ったらいやだろうなということはわかっているつもりです(笑)最近はハイブリッドとか電気自動車の修理でコンピュータを使うことが必須になっているので、その知識があればなおいいですね」

父・忍さんの背中を見てきた敏晴さん。長男が後を継いでいくのが当たり前だと思って育ってきました。他の道を選ぶという考えすらなく、気がついたら整備士の道を歩んでいたそう。市街地のディーラーで働いて経験を積んだ後に戻ってきました。

 

敏晴さんには小学生になる息子さんがいます。ご自身と同じように、継いでいってほしいのだろうと思いきや、そう考えてはいないそう。

 

「やりたいって言ってくれるようなら、プレッシャーにならないような形で当然サポートしたい。でも他にやりたいことがあるなら彼の人生なので。息子に期待を全部あずけるのではなく、田舎で整備やってもいいよ、という方を探すことにしました」

 

「僕は寒いのが苦手なんで、もし長男じゃなかったら沖縄とかどこか暖かい場所に行っていたかもしれませんね(笑)」

 

 

「この人、しもやけがすごいんですよ」と口を開いたのは敏晴さんの妻であり、経理や保険など事務仕事を担うやすよさん。

いつも一番近くで敏晴さんの仕事に対する姿勢を見てきました。

 

「すごくまじめな人なので、この仕事には向いているだろうなって。お客さんが事故に合わないように几帳面にやっています」

 

「お客さんに対しては常に誠実ですね。例えば休みの日に車に乗って出かけていると、急に頭を下げるんですね。何に頭下げた?って聞いたら、通り過ぎた人がお客さんだった、って。絶対に相手が気づいていないだろうと思うときでも頭を下げています」

足助川合自動車を選んでくれているというお客さんへの感謝の気持ち。寒い日も手にしもやけを作りながら、まじめに整備に取り組む敏晴さんの姿が目に浮かんでくるようです。やすよさんは少し照れながら、でも誇らしげに、公私共にパートナーだからわかることを教えてくれました。

「ここのお客さんは、みんな社長や大将の知り合いや友だちです。大将なんかは、プライベートとの境目なく社交的に動いて仕事をいただいてきます。社長の場合は、例えば趣味でやっているインディアカ仲間にお客さんがいたり。練習に行くと『今度車持ってくね』と声がかかったりします」

 

新規のお客さんでも、足助地区や周辺に引っ越してきたと聞けば、土地柄やそこに住む人など話の種はいくらでもある。次からはもう、顔と名前が一致する知り合いです。

 

「お客さんと仲良くなって、お客さんからも好かれて、それが仕事として還元されていく。今回の募集に条件が合って、新しくうちの会社に入ってきてくれる方も、ここで働けば自然とそうなっていくと思う」

 

豊田市駅から川合自動車までは片道およそ50分。通えない距離ではないですが、もしこちらに移り住んで働きたい場合はどんな選択肢がありますか?

 

「豊田市には空き家情報バンクという制度があるので、そこで空き家を探すことができます。僕らが住んでいる明川(あすがわ)町は、地域ぐるみで空き家を発掘する雰囲気があるのでタイミングが合えば、地元で見つけることもできるかもしれません。いずれにしろ、サポートしていきますよ」

 

お客さんでも、一緒に働く仲間でも、相手を尊重し、自分のやるべきことをやる。

川合自動車のみなさんのそんな姿が印象に残りました。

 

大切にされれば、大切にしたくなる。

そんな循環を何度も何度もめぐらせて、あたたかな職場が作られる。

 

その輪の中に飛びこんで、自分を役立ててみたい。

気になった方は、ぜひ連絡してみてください。

 

笑顔でむかえてくれると思います。

(取材 2020/12/11 )
*撮影の時のみ、マスクを外していただきました)

 


足助川合自動車株式会社 募集要項

 

募集職種
自動車整備士

雇用形態
正社員(1年ごとに契約更新)

給与
月給 200,000円〜
*残業代別途支給

待遇・福利厚生
厚生年金・健康保険・雇用保険・労災保険
昇給あり
交通費は応相談

仕事内容
自動車整備全般

勤務地
愛知県豊田市平沢町中ノ田1番地

勤務時間
午前9時〜午後5(お昼休憩1時間、適時休憩)

休日休暇
日曜・祝日
*夏季休暇、年末年始休、有給休暇あり

応募資格
2級または1級自動車整備士の資格がある方
要普通自動車運転免許

求める人物像
誠実な方

選考プロセス
まずは下記問い合わせ応募するボタよりご連絡ください
採用担当より次の選考についてご案内いたします。

(※縁側求人での応募は終了しました。問い合わせ・応募は足助川合自動車株式会社(tel 0565-67-2344)へご連絡ください

 

きうらゆか

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1979年生まれ。2014年、夫のUターンに伴って豊田市山村地域・旭地区に移り住む。女性の山里暮らしを紹介した冊子「里co」ライター、おいでん・さんそんセン...

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撮影 永田 ゆか

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静岡県静岡市生まれ。 1997年から長久手市にあるフォトスタジオで11年間務める。 2008年フリーランスとして豊田市へ住まいを移す。 “貴方のおかげで私が...

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