2022.05.07 遊びながら働き方を考えるツアー|開催レポート

インタビュー

ゴールデンウィーク終盤の5月7日(土曜日)、とよたでつながるローカルメディア縁側は、地域限定旅行業の三河里旅とのコラボレーションで初めてツアーを開催しました。編集部の川端がその様子をレポートします!

縁側ツアーは、縁側で取材させていただいた人にリアルに会いに行き、その生き方、暮らし方を実際に体感してもらうことを目的に企画しました。

第1弾は、縁側がスタートして最初の記事で取材した稲武地区の遠藤颯(えんどう・はやて)さんに会いに行きました。遠藤さんは、トヨタケ工業株式会社に勤務し、『Inabu Base Project』の主要メンバーとして、工場勤務、マウンテンバイクのツアーガイド両方を仕事としてやるという働き方をしています。

 

今回は、「遊びながら働き方を考えるツアー」と題し、トヨタケ工業での仕事で使うミシンのミニ体験、遠藤さんがガイドをするトレイルでのマウンテンバイク走行体験の両方ができるツアーです。

当日は青空が広がり、爽やかな風が感じられるとても気持ちの良い天気でした。新しい生き方・働き方に関心のある方やご家族連れでの参加など7名の方に参加していただきました。

 

トヨタケ工業ってどんな会社?

 

遠藤さんが勤務するトヨタケ工業株式会社は車のシートづくりが主たる業務の会社です。ツアーの最初に、社長の横田幸史朗(よこたこうしろう)さんから、トヨタケ工業の会社概要や車のシートについての説明がありました。
過疎高齢化が進む稲武地区で、トヨタケ工業は、若手人材確保の問題を抱えていたこと、それを横田さんご自身が趣味としている自転車と結びつけ、後に遠藤さんとの出会いも生み出す『OPEN INABU』、『Inabu Base Project』が生まれた経緯について紹介してくださいました。

引き続いて工場を見学。普段なかなか入ることのできないシート工場の見学に、参加者のお子さんは「探検しているみたい」と感想をつぶやいていました。普段見慣れないシート生地の裁断機や、ずらっと並ぶ工業用ミシンに参加者のみなさんは興味津々。大人の参加者は、「こういった技術は、機械やAIに取って代わられるかもしれないと思っていたけど、まだまだ熟年のベテランさんの仕事の域ですね」と、画一的な機械化が難しい、職人技光るシートづくりの製造現場に、知的好奇心を刺激された様子でした。

 

車のシートだけではなく、人気のリゾート観光列車のシートも製造しているという説明もあり、生活の様々なところにトヨタケ工業の製品があることを実感させられます。

世界にひとつだけ『シートカバー素材のペンケース』

 

その後は工場の2階にある『訓練道場』に移動。トヨタケ工業の新入社員が縫製を学ぶスペースです。ここで、シート生地の端材で、工業用ミシンを利用したペンケースづくりを実施しました。これが参加者のみなさんに大ハマり!

自分の好きなシート生地の素材や糸の色を選び、普段使うことのない工業用ミシンで縫製する。世界にひとつだけしかないオリジナルのペンケースづくりに大人も子どもも熱中し、当初の予定時間を大幅に超過することになりました。(その後のスケジュールは、急遽変更することに)

参加者のみなさんはオリジナルのペンケースができたことに大満足!参加者の中にはひとつでは飽き足らず、2つ目を作成し始める人もいました。まだ学校でミシンを習っていない子は、「ミシンが使えてとても楽しかった。工業用ミシンおもしろい!」と笑顔で教えてくれました。

 

ミシンによる縫製体験後、昼食の時間となりました。稲武の名湯・夏焼温泉「ホテル岡田屋」さんのおいしいお弁当を中当町の集会所に移動していただきました。縫製体験中から話が盛り上がっていたため参加者とスタッフの距離も縮まり、参加者の身の上話なども飛び出すなど全員でワイワイと楽しくお昼を囲みました。

参加者の中には縁側で田園風景を見ながら昼食をとられる方もおり、のんびりとしたランチタイムとなりました。

稲武の大自然の中での座談会

 

午後最初のプログラムは、このツアーのメインとも言えるInabu Base Projectのみなさんとの座談会です。縁側の記念すべき最初のインタビュー記事で登場していただいた遠藤さんを始め、社長の横田さん、古橋久三(ふるはし・ひさみつ)さん、中拓二(なか・たくじ)さんの4人が登壇し、参加者とのクロストークを編集長・きうらゆかの進行で実施しました。

この座談会は、トレイルで利用するフィールド内に、椅子を設置した特別な場所で行いました。五月晴れの絶好の天気であったため、新緑の木々の間から木漏れ日が射す気持ちの良い空間。稲武に住む“ごほうびパン屋”「Kiln(キルン)」の白石育恵(しらいし・いくえ)さんが作るクッキーと淹れたてのコーヒーでリラックスした雰囲気のなか開始しました。

横田さんからは、工場3日、自転車ツアーガイド2日という働き方改革『Inabu Base Project』が生まれた経緯、遠藤さんからは、就職活動をしていた時期に感じていた気持ち、移住してからの地元との関わり方、就職してから現在までの経験についてお話しいただきました。

また、古橋さんからは、地域にトレイルを作るにあたって地元と調整してきたご経験についてのお話しが、遠藤さんと同様、就職を機に稲武に移住してきた中さんからは最近ご結婚されたというおめでたい話題についてお話しを伺うことができました。

現在、そしてこれからの働き方、変わりゆく社会のなかでの企業の方向性、地域活性と地元との調整などについて、トヨタケ工業のみなさんにしか語ることができない内容満載だったため、座談会はこちらの記事で別に紹介しております。ぜひご覧ください。

 

爽快感満点のマウンテンバイクによるトレイルツアー

 

そしてツアーの最後のプログラムはお待ちかねのトレイルツアーです!Inabu Base Projectのみなさんが中当町の林道を整備して作ったトレイルコースや練習場を利用して思いっきりマウンテンバイクを楽しみました。

 

今回は参加者全員マウンテンバイク初心者ということもあり、最初はフィールド内に設けられた練習場でマウンテンバイクの乗り方についてレクチャーを受けました。筆者はツアースタッフとして参加していましたが、このトレイルツアーには自転車を借りて参加しました。

 

初めてのマウンテンバイクはバランスを取るのがなかなか難しく、乗りこなすのにとても苦労しましたが、遠藤さん、中さんの丁寧なレクチャーにより、次第にバランスの取り方が分かるようになりました。イメージはスキーと似たようなバランスの取り方と言ったところでしょうか。楽しくマウンテンバイクに乗ることができました。

参加者のみなさんも最後には上手にマウンテンバイクを乗りこなし、山の中腹から林道を下りていきました。その爽快感は感動ものです。さわやかな気候の稲武で、自然を感じて身体を使って「遊ぶ」最高のトレイルツアーとなりました。

 

参加者のお子さんは「もっとトレイルの時間があったら良いのに!」と初めてのマウンテンバイクのトレイルを満喫していました。

感想共有タイムには、参加者の方から「今後の生き方を考えるとても良い機会になった」とコメントを聞くことができました。一方でトヨタケ工業のみなさんは「今回、三河里旅と縁側とのコラボということで、ミシンの体験とマウンテンバイクを組み合わせたツアーを初めて実施しました。喜んでいただけたので、今後の企画に生かしていきたいです」と、手ごたえを感じている様子でした。

最後に

 

また、ツアー終了後には参加者とツアースタッフの間で連絡先を交換するなど、新しいつながりが生まれていました。企画担当として、人と人がつながるツアーが開催できたことをとてもうれしく思います。

 

ツアーにご参加いただいたみなさん、そしてツアー開催にご尽力いただきましたトヨタケ工業株式会社、三河里旅はじめ関係者のみなさん、本当にありがとうございました。これからも『とよたでつながるローカルメディア縁側』は豊田市で、新しいつながりや出会いが生まれる心温かな企画を実施していければと考えております。

川端洸平

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おいでん・さんそんセンターコーディネートスタッフ。大阪生まれの東京育ち。豊田市への転居で人との温かなつながりの魅力を実感。それを大好きな旅行の新しいカタチと...

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