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見守りあう、母とスタッフの共同運営【森のちいさなようちえんで育つ おおきな家族第3回】

コラム

今回は、森のたまごの運営の仕方についてお話したいと思います。

 

保護者が運営

 

開園当初、森のようちえんの考えに賛同した保護者が主となり、運営は保護者がやっていました。
開園前の準備では、園の基本理念・年間計画・規約など、担当を決め一つ一つ進めていきました。

小さな子どもを抱え、日々の生活をこなし更にパソコンに向かい必要なことをたくさんの母がやってくれていました。なぜ骨の折れることをわざわざやったのでしょう。

 

どの親も子どもの将来を考え、良いものを与えたいと思っていると思います。良いと言われているものはたくさんありますが、本当に子どもに必要なことは何でしょう。 
森のたまごの母たちは、幼少期に遊び切る事、感情や思いを出す経験をする事で、心と体の土台である根っこがしっかり育つことが大切と考え、それができるよう森のたまごの運営に関わっています。

誰かに任せるのではなく、親自身が自主的に考え動くのです。

しかし子どものためとは言うものの、母として自分たちの子育てに後悔しないようにとも強く思っています。

 

母とスタッフの共同運営

 

10年という長い年月を通して、またその時に関わってくれた母たちの働きが、今の森のたまごとなっています。子どもを森のたまごに通わせようと決め、力を尽くしてくれた母たちには感謝でいっぱいです。

現在では、母とスタッフが共に係を担い共同で運営しています。

私は開園当初から代表として関わっていますが、新しい母から新しい視点をもらったり、時代に合った運営などを日々学んでいます。

 

ここからは、森のたまごの卒園児母であり、現在は森のたまごのスタッフとして関わっているまきちゃんに、バトンタッチしたいと思います。

 

母として関わる(しんどさや学んだこと)

 

私は、保育士として他市の公立園で勤めた経験はありましたが、娘が入園することになり、とりあえず保育はわかるけれど、運営するってどういうこと?と疑問に思っていました。

 

当時1年目の私は畑係。前任者から引き継がれ、マニュアルもあり、初めての母にもわかりやすく、畑仕事にも関わりながら、楽しく過ごしていました。

保育時、大根と人参の種まきを子どもたちと一緒に行い、生長を見守っていました。しばらくして、間引きをしてもらう予定が、ほとんど子どもたちに食べられてしまったということがありました。係としては、大きく育った野菜を調理して食べようと考えていたため、モヤモヤとした気持ちが沸いていました。

 

そこで、月一回の定例会(大人の会議)で議題に出し、思いを伝えました。他の母たちからもいろんな意見がでて、それぞれの思いや考えがあり、納得できたような、できなかったような…もちろんそれでいいのです。代表は、「何を大事にするかだよね。採って食べるだけでも生きる力が…」、「畑作業は基本大人が楽しめばいい、子どもはその姿を見て、やりたい子が楽しくやれるといい」と。私のモヤモヤは、すぐには晴れなかったようにおもいますが、係でも話し合い、だんだん“大切なことは何か”を考えられるようになり、モヤモヤを解消できたのだと感じています。

 

もともと、楽観的であまり自分の意見を持たず、会議が苦痛に感じる時期もありました。

わが子が在籍する3年の中で、子どもたちには、「自分の気持ちを伝えてごらん、言いたいこと言っていいのだよ。」と、保育で言っていた私…実は自分の気持ちや考えを口に出していない、苦手と言って、考えて伝えることをほとんどしてこなかったと気づきました。

そこで、2年目と3年目は、係の仕事として学年代表(役員)をやってみよう、もう少し視野を広げて考えていきたいと思い、苦手な分野にも挑戦できたように思います。

 

保育に入れば、自分の子どもも他の園児もいる中で、成長が見られ楽しいことはたくさんありました。

時には見たくない辛いこともあったと思いますが、保育のことと運営面においても、経験を通して感じたことなどを伝えられる場があり、共通理解ができるようになっていきました。

係の仕事は、係だけが行うのではなく、主に旗振り役であることで、みんな(できる人ができる時に協力し合うこと)で、無理なく運営に関わることができたのではないかと思っています。

 

スタッフとして関わる

 

現在、スタッフとして3年目…

わが子が卒園し、年少だった園児が年長になりました。私も彼らと共に成長できているのかな…

保育はもちろん、運営面でも母たちに力を借りながら、私は係の一つとして防災係をしています。

野外で活動し、万一に備えて日々考え、災害訓練も年4回程行っています。自分の知識や経験だけに頼らず、みんなで意見を出し合い、今必要な訓練を計画し実行しています。

また、母たちもそれぞれ保育プラス係の仕事を担っています。

今だけでなく、先を見据えての共同運営を母として、スタッフとして関われたこと、とてもうれしく思います。今後も、子どもの成長に大事なこと(森のたまごの基本理念)を念頭に置き、子どもたちや素敵な母たちとの信頼関係を大切に、一緒に育ち合い(共育)、自分らしさを忘れず、成長していきたいと思います。

 

また、幼稚園教育要領にある領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)、主体的な活動、自発的な活動、森のたまごの子どもたちは、それらすべてをここで経験し、「生きる力」を蓄えていると思っています。

 

最後に、私は昨年度末趣味であるスキーで足にけがを負い保育に入れない日々が続いています。

でも、そんな時にも森のたまごを支えてくれるOB母たちが、「いつでも保育に入るから声かけてね」と。
いつも森のたまごを見守ってくれる人々がいます。

“小さなようちえん大きな家族”

まさに今私は、家族、たまごのみんな、そして大きな家族に助けてもらい支えられ、秋からの復帰を目指しています。感謝。

次回は、森で過ごす四季折々のエピソードについてお話したいと思います。お楽しみに♪

縁側編集部

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