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パパ、育児のため会社を1年休みます!|第4話 育休で見つけた新たなつながり

コラム

こんにちは!

前回の第3話目のコラムでは育休を終え始まった「共働き子育て」について
感じていることを書きました。是非チェックしてみてください!

今回のコラムでは、育休(育児)を経験したからこそ生まれた「新たなつながり」についてです。
いままでの会社中心の生活では出会うことのなかった人や地域との関わり、そこでの気づきなどついて話していければと思います。

家族との関係性はどう変わったのか?

 

私は育休を転機に、家族との向き合い方を見つめ直しました。 

学生時代から社会人になっても続けていた趣味のスポーツや友人との集まり、会社の人とのなんとなくの付き合いを減らすことで確保した家族との時間。

「家族との関係性は深さを増し、とても良い家族になれた!」と自信を持って言いたいところですが、まだまだ子育ては始まったばかりなので答えを出すには時期尚早でしょう。

答えは出ませんが、家族との関係性を振り返ってみたいと思います。

まずは妻との関係性についてです。

子どもが生まれた最初の頃は、育児について先を走っていた妻と、まだまだ未熟なパパとで言い合うこともよくあり、一緒にいる時間が長い分、お互いに些細なことにイライラすることも増えたと思います。しかし、そのおかげで「ダメな部分や弱い部分も含めて、お互いに理解して前に進めるようになった」のではないでしょうか。

また里帰りしなかったことで「夫婦での子育て基盤」もできたと思っています。実家の親に頼れないので夫婦ですべてをやる必要があり、生まれた時からどういった大変さや苦労があるのかを同じ空間で感じられたことも大きかったと思います。

いままでは私と妻の「それぞれの人生」だったのが、子育てという新たな家族の共通ミッションに取り組むチームにもなれました。そう、妻とは戦友です。(※コラム第2話参照 https://engawa-toyota.com/wp/tsuji_childcareleave_2/

 

子どもとの関係性はどうか。

接する時間が増えた分、関係がよくなったかというと、そんな実感も正直あまりありません。

ただパパ自身の中で「なによりも子どもとの時間を優先したこと」は、子どもとの関係性における自信にはなっていて、その自信が将来どこかで、家族との関係性のプラスになってくれると嬉しいなと思うばかりです。

今まで大切にしていたものを手離す寂しさや不安はありますが「いま自分が最も大切にしたいこと」に注力することは、後悔のない人生をおくるためにとても大切なことだと思います。

いつか定年を迎える際や、病室のベッドで死ぬ間際のことを思い浮かべた時に、「あのタイミングで、家族との時間を優先する選択をしたことはよかったな」と思える日が来ると私は信じています。

「もっと仕事をやっておけば」とか「もっと自分の趣味に時間を注いでいれば」とはおそらく思わないのではないでしょうか。

 

学びの多いご近所付き合い

 

ご近所付き合いと聞くと「面倒」「トラブル」などのネガティブな言葉を耳にすることもありますが、一歩踏み込んでお互いを知ってくるとやっぱり楽しいものですし、子どもにも良い影響があることも実感しています。

わが家は近い年代が多く住む住宅街に住んでおり、子どもを起点にご近所さんと良く接するようになりました。

DIYが趣味の私はお庭に遊具を作り、ちょっとした公園のようにしています。

嬉しいことに娘や息子の同級生だけでなく、年代の違う子どもたちも遊びに来てくれ、子どものステージに合わせてまた新しい友だちを連れてきます。(多い時では親も含めて30人以上集まることも)。子どもの、友だちをつくる力にはいつも驚かされます。

そして、たくさんの子どもが集まってくるとどうしても「ブランコ代わってくれない」とか「仲間外れにされた」などのトラブルが起きてきます。

こういった交流の場で子どもたちは、友だちとの関係などの社会性を学んでいるようです。また、子ども同士の関係性はもちろんですが、自分の両親以外の大人との関わりから気づきを得ることもあるでしょう。子どもたちの言動や行動に親がはっとさせられることもあります。

 

いつか彼・彼女たちが大人になったときに「小さいころはこんなことあったんだよー」と笑って話せる日が来ることを楽しみにしています。

 

更に、親としても嬉しいことがあります。

幼稚園や小学校について情報交換や悩み相談もできますし、助けてもらえることもよくあります。この記事を書いているちょうど前日にはタイヤ交換のやり方を教えて貰い、必要な道具を貸してもらいました。お店に頼めばなんとかなるのかもしれませんが、助け助けられる関係も良いのではないでしょうか。

最近では、ちょっとした縁日をやるプチ夏祭りをみんなで集まってやるようにもなり、親も子どもも楽しみな定期イベントになりつつあります。(意外にもママ達が文化祭準備のように盛り上がっています)

恐らく子どもがいて育児に関わることをしていなかったら、ここまでご近所さんと関わることはなかったと思います。毎日のようにケンカをしながらも、すぐに何事もなかったかのように笑って遊ぶ子どもたちに感謝です。

 

見知らぬ田舎が第二の故郷に

 

次は子どもをきっかけに地元の田舎との繋がりができた話です。

私は田舎出身なこともあり、子どもには自然や田舎で五感を使い過ごす時間が大切だと思っています。しかし街中に住んでいるとそのような機会にはなかなか出会えません。

そんな中、自宅から車で1時間の所にある山村地域で実施された農体験・里山体験イベントに家族で参加。1年間に渡って山村地域の方々と交流をしながら、お米や野菜作りなどが体験できるという、まさにわが家が求めていた内容でした。

田んぼ体験の様子


畑体験の様子

恵まれた自然があることはもちろん、野菜作りや里山の知恵などを親切に教えてくれて家族のように接してくれる地元の方々に魅了され、月に一度は泊まり込みで活動するようにもなりました。

 

そして、いつの間にかこの見知らぬ田舎が第二の故郷と呼べるようにもなってきました。

その地に住んでいなくてもこのような感覚になるとは自分でも驚きです。

 

私は人生の半分以上をこの今の地で過ごしてきて、あまり愛着を持てずに暮らしてきました(大人になって地元を離れた人で同じ感覚を持っている人もいるのではないでしょうか)。

故郷と思える場所ができたことで、今住んでいるこの地が段々と好きになってきました。

こういった田舎での体験は、大人にも子どもにも非常に価値のあるものだと実感した一方で、「高齢化で跡継ぎがいない・若者が少なく活気がない」「耕作放棄地が増え、獣害被害も増加」などの山村地域の課題も知ることができました。

そこで、家族で大好きなこの田舎の地をなんとか助けられないかと思い、有志の仲間たちと農体験を中心とした「市内住民と里山住民が交流できる農園」を作ろうと日々手弁当で活動することにもなりました。

仲間たちとは「いつかこういった場所が日本中に広がれば」という夢を語ったりしています。そんな人生における友人ができたことも大きな収穫です。

(活動URL:https://www.facebook.com/Burupon.2021

活動時の集合写真

この耕作放棄地を自分たちの手で市民農園へと再生させます

 

こういった活動には、違う年代や地域からも人が集まるので、学校や会社では出会うことのない人と出会うこともありました。

特に里山で活動している70、80代の方々との出会いは、会社員生活が中心だった私にはとても新鮮でした。

 

スマホを使いこなし、若者の取り組みに協力的で、田舎暮らしや自分が持っているノウハウを惜しみなく教えてくれます。なによりも自分じゃない誰かが喜んでくれたら嬉しいと思う利他の心に溢れています。

まさに師匠とも呼べる存在で、「こんな年の重ね方をしたい!」と私は密かにこの方々を将来の目標にしています。

子どもをきっかけに繋がることのできた田舎で、会社員の暮らしのみでは出会うことがなかった素敵な出会いも経験することができました。

師匠に農機の使い方を教えてもらう様子

師匠に草刈り機の選び方を教えてもらう様子

 


師匠たちとやった稲刈り後の集合写真

 

 

アウェーのPTA役員で学校と幼稚園がホームに

 

学校や幼稚園に通う子どもを持つ親のほとんどが「できればやりたくない」と思っているPTA役員。運動会等イベントの手伝いや運営委員会実施など、ほとんどが平日の決まった時間にボランティアとしてやることになるのでなかなか親の負担も多く、できることならやりたくない親の方も多いのではないでしょうか。

やるなら早めに済ませた方がいいかなくらいに考えていたわが家は、とある年に小学校と幼稚園どちらとものPTA役員を引き受けました。

初めのうちは妻が対応することが多かったのですが、子どもの妊娠と出産で妻が動けない間は私が対応することが多くなりました。

そしていざ役員の集まりに参加してみるとそこには男は私だけしかいません。完全なアウェーです。

幼稚園のPTAでは花柄エプロンを着用

さすがに花柄のエプロンを着たからといってママたちの輪にすぐ溶け込めるわけではありませんでしたが、”ご近所さん”がいたお陰もあり参加する度に徐々に慣れることができました。

色々な人と話していくと、このPTA役員も毎年総入れ替えされるので、みんながみんな関係性ができているわけではないということに気づきました。「ママたちも初めは不安があるけれど、コミュニケーションとって関係性をつくっているんだよなー」と実感することができました。パパだから、男だから輪に入りにくいなんて思っていた自分が恥ずかしくなります。

そうしてPTA役員として一歩踏み込んで関わっていると、いつの間にか学校や幼稚園がホームへと変わっていきます。最初の頃は校内や職員室に入る時には緊張していましたが、何度も役員として通ううちに顔見知り(親も先生も)も増え、居心地の良い場所になってくる、まるで学生の頃に戻ったような感覚です。

これからもまだまだお世話になる学校や幼稚園が、ホームと思えるようになれたのはとても良い経験でした。

ただ一方で、「男性しか会長にはなれない」「役員選出が大変」といった課題もあったり、仕事のようにスムーズに進まないことへのモヤモヤなどもあります。

(家庭の中だけでなく)ここでもママたちが中心となり、学校・幼稚園・子ども達を支えているということを肌で実感することもできました。

このPTA活動にも、パパの参画がもっと必要だと感じる今日この頃です。

 

身近になった「社会」

 

子どもが生まれて育休を取り、積極的に子どもに関わるようになってくると

色々な人に支えられて暮らしが成り立っていることにも気付きますし、色々な社会の出来ごとが自分ごとにもなってきます。

地域、田舎、学校、幼稚園、病院、高齢者、政治のことなど、すべてが未来を生きる子どもたちの将来につながるからだと思います。

子どもたちには、よりより未来を生きて欲しいと思いますし、この支えてもらっている社会に還元していきたい、それに向けて行動する親の姿を見せたいとも思うようにもなりました。

仕事だけをやっていては気付けないことに気付くきっかけが育児にはたくさんあります。

そしてそれらのことはきっと会社生活でも生きることもあるでしょう。

なにより私の人生は豊かになったという実感があります。こんな素敵なつながりに出会わせてくれた子どもたちにはほんとうに感謝です。

是非、みなさんも育児・子どもとのつながりや、そこから広がる関係性を振り返ってみてはいかがでしょうか。きっと新たな気づきが得られると思います。

次回は、6年ぶりに取得した、現在進行中でもある1年間の育休について書いていきます。

ではまた。

 

辻 竜也

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1988年生まれ、福岡県出身。15才で愛知県豊田市へ移住。製造業会社員として働く三児の父。2021年、子どもと参加した農体験で里山の魅力と課題を実感した経験...

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