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パパ、育児のため会社を1年休みます!|第5話 6年ぶり2回目の育休。なんで1年にしたの?

コラム

こんにちは!

前回の第4話目のコラムでは育休・育児を経験したからこそ生まれた「新たなつながり」」について書きました。
是非チェックしてみてください!

 

今回のコラムでは、現在進行中(2022年12月で育休2か月経過)である1年間の育休について書いていきます。
6年ぶりの育休に意気込んだり、家族にイライラしたり、怠けたり、幸せだったりな生活を送っています。

2人の子どもを抱えながらの共働きでの妊娠生活では、育休のプレッシャーも相まって家庭が限界状態にもなっていました。

パパ育休のコラムとして、少しパパ目線に偏った話をしていきますが、どうか温かい目でお読みいただけると幸いです。

なぜ1年という期間なのか?

 

2022年10月、第3子が生まれると同時に私は1年間の育休を取得しました。

男の私が育休を取る理由については過去のコラムをご覧いただければと思います。

 

ここでは、まだまだ男性育休が当たり前とは程遠いこの時代に「なぜ1年という長期間育休を取ることにしたのか」について書いていきます。

 

まずは前回の3か月育休の経験から3か月以上は最低でも必要と考え、この期間をどこまで延ばして良いものかをとても悩みました。

 

前回育休取得した2016年は誰も取得した人はいませんでしたが、現在では少しずつ育休を取る男性も増えてきています。身近には半年休んだ人もいたので、まずはこの半年を参考に育休中の家族の生活や金銭面のことなどをシミュレーションしました。(何事にも先人がいることはありがいことです)

 

 

1・2人目の子どもは数か月もすれば小学3年生と1年生になります。

未就園児の頃に比べ、少しずつできることが増えた分、手がかかることも増えてきた今日この頃です。

少し話は変わりますが「子育て四訓」という言葉をご存じでしょうか?

有名な言葉らしいですが、私も最近初めて知ったところです。

とても共感ができ、参考になる考え方だと思います。

ステージごとに子と親の関わり方・距離感は変化していき、それぞれの大変さが訪れます。

 

わが家では、3人目出産で「子育て四訓」の1.2.3が同時に来る状態。
まだまだ親の肌・手・目が必要です。新生児にママが付きっきりになることも予想されるので、できるだけパパの育休期間は長く取りたいと思っていました。

半年で職場復帰した場合は、子どもの小学校入学・進級のタイミングです。

子どもたちが新たな環境で戸惑う時期に余裕が欲しいと考え、もう少し期間を延長すると、続いては子どもの夏休みになります。

子どもの頃はただ楽しかった夏休み。いざ親になってみるとその大変さを実感します。
1日中家にいる子どもの相手やご飯の準備、これに新生児のこと。

もしパパが職場復帰して、40日の夏休み、ママだけで3人の子どもを見ることを想像するとゾッとします。

では更に夏休みが終わる9月まで延長となると、これで育休期間11カ月です。

あとはここにお金の話が加わります。

育休中は会社からは給与を1円ももらえませんが、雇用保険から「育児休業給付金」がもらえます。もらえる期間は育休開始から1年までとなっています。(詳しくは第2話参照https://engawa-toyota.com/wp/tsuji_childcareleave_2/

だったら思い切って給付金がフルでもらえる1年にしようという結論に至りました。

私たち夫婦が退職を迎えるまであと30年以上働くことを考えると、そのうちの「たったの1年」と捉えることもできます。この同じ1年で、赤ちゃんの著しい成長をそばで見守ることができます。

そしてなにより「今しかない家族との時間を優先したいという想い」に勝るものはありませんでした。

 

ギリギリな妊娠生活

 

3人目の妊娠生活を振り返ってみます。

過去の妊娠生活との違いは、2人の小さな子どもがいて共働きをしていたことです。
妊娠初期にはつわりもあり、そんななか働くということでママはとても辛かったと思います。

パパは、体調不良のママと子ども2人の世話をするという、捉えようによってはワンオペ状況です。仕事と家庭の両立のつらさを痛感する日々でした。リモートワークが取り入れられたこともあり時間に融通が利く働き方ができていたためなんとか乗り切ることができましたが、正直この頃は「もう次の子をつくることはないなー」と思うほどでした。(赤ちゃんが生まれてその感覚は忘れ去られましたが)

 

安定期に入り妻の体調は少しずつ良くなりましたが、心身共に負担が掛かっている状態は子どもが生まれるまで続きます。つい仕事や家事を頑張りすぎることもありました。

そして出産まであと2か月となった時に「切迫早産」と診断されました。切迫早産とは、早産の一歩手前の状態のことを言います。(予定日より早い段階で生まれる「早産」になると様々なリスクを抱えることになります)

この言葉を知らず、「早産」という言葉を聞いた私たち夫婦はとても驚き焦ったのを覚えています。なんて紛らわしい名前なのでしょう。「早産切迫状態」くらいにして欲しいものです。

 

言葉の意味を聞いて、すぐに早産するわけではないと一安心しましたが、危険な状態にあることには変わりありません。要因は様々あるようですが、妻に無理をさせてしまっていたのかもしれません。

軽度の場合は自宅安静、重度の場合は入院してベッドから動いてはいけない絶対安静が必要となり、今回は入院の一歩手前という状況でした。

自宅にて約2週間、ベッドとトイレのみを行き来する生活を送り、なんとか事なきを得ましたが、改めて赤ちゃんをお腹の中で育て無事出産するということが当たり前のことではないことを痛感しました。

 

何のために育休をとるのだろうか?

 

話は少し前に戻り、安定期に入り上司に1年育休を取得することを伝えたパパは、

家庭が大事だからと仕事をスパッと切れるわけでもなく、育休を取得する分できるだけ仕事を頑張ろうと意気込むわけです。

育休は認められた権利なので「取ります」と言えばそれだけで終わる話かもしれませんが、休んでいる間に仕事をサポートしてくれることになる人はいますし、できる限りの努力はして育休に入りたいという気持ちがありました。

定時に一度仕事を切り上げ、夕飯から子どもが寝つくまで家のことをやり、その後21時から仕事を再開。
思ったように体を動かせないママに、子どもたちの不満もたまり、家は毎日大荒れです。次第に子どもたちを大声で怒鳴ってしまうことも増えてきました。

そんなある日の休日、朝早くから起きる子どもたちが庭で遊べるようにと日よけをセットしようと運んでいた時に悲劇は起きました。

疲れも溜まり、目もまともに開かないまま準備をしていた私は、お庭の数センチの段差に躓き、転倒して捻挫。幸い歩けなくなるほどではありませんでしたが、数週間は足を引きずりながら生活することとなり、妊娠中のママの負担が増えることにもなりました(この時はかなり落ち込みました)。

 

怪我をしてようやく自分が無理をしていたことに気が付きました。
気づかない間に、育休を取ることへのプレッシャーもあったのでしょう。

何のために育休をとるのだろうか?

家族との時間を大切にするために取ろうとしていた育休で、家族を苦しめることになっていました。

そんなギリギリな妊娠期間も、妻が産前休暇に入ることで少しずつ余裕ができてきます。

そして3人目も、2人目と同様に無痛分娩で、陣痛が始まり2時間で出産。
共働きでの妊娠期間、大変なことは色々とありましたが、無事に生まれてきてくれて一安心です。

 

愛おしい鳴き声

 

さぁ6年ぶりの育休、新生児育児の始まりです。

3人目ということもあり「なんとかなる」という余裕からか特に準備はしていません。おむつ替えのやり方さえも忘れていましたが、いざその時になるとやれるので不思議なものです。

どこか遠く一点を見つめていると思ったらうんちをし、おむつ替えをしているとおしっこをかけられ、1番風呂の湯舟でまたうんち。

あとはひたすら泣いて、寝て、おっぱいの繰り返しです。

「そういえばこんな感じだったね。この感覚なつかしいね」と夫婦でその瞬間を微笑み合います。

ちょっと泣いたくらいではパパとママは動きません。3人目の宿命というやつです。「泣いてるのではなく、小鳥のようにただ鳴いているだけだ」と考えているくらいがわが家ではちょうど良いようです。

 

生まれた時の「おぎゃー!」だった鳴き声は、2か月もすると「けへぇっけほぉっかはぁっ」というなんとも表現しづらい鳴き声に変ってきます。思ったように泣き止まずストレスに感じることもありますが二度とこの鳴き声を聞くことはないんだと思うとその時々の鳴き声も愛おしくなるものです。(そう自分に言い聞かせて乗り切っているのかもしれません)

育児は経験と余裕だなと思います。

もちろん大変なことはありますが、これが永遠に続くわけではないことを私たち夫婦は知っています。そして夫婦共に育休をとることによって余裕もでますし、なにより楽しさも辛さも一緒に分かち合える話の通じる大人がいることはとても大きいことです。

やっぱり夫婦一緒に育休取ってよかったなーと実感する日々を送っています。

 

家出

 

産後1カ月が経ち少しずつ妻が動けるようになってきたある平日の昼下がり。
私は「家出するね」といって新生児の赤ちゃんと妻を置いて家を出ました。

半分冗談、半分本気でした。

「赤ちゃんの洗濯は別にして」「電気は消して」

普段なら受け流せる妻の言葉に怒れてくる自分がいました。

どうやら自覚がなかっただけで、かなりストレスが溜まっていたようです。

パパとしては、一日中家族のことで動き続けているのにそんなことを言われるなんて。
まるでワンオペで休む間もなく家のこと頑張っているのに、夫に小言を言われた妻のような感覚だと思っていました。

産後体調が優れないなか新生児の世話に大変な妻にこんなことを思うなんて、
なんと器の小さい男なのでしょう。

 

妻:「で、夕食はどうする?」

私:(家出するって言ったんだけどなー)「まぁ冷凍庫の肉でテキトーに作るわ」

と言って、冷凍庫の肉をキッチンに置き、お米を3合炊飯器に予約し家を出ました。

そして家から車で5分の所にあるカフェで3時間過ごしたのち帰宅。

気分が晴れた私は、さっそく夕食の準備に取り掛かるのでした。

 

子どもたちの成長

 

ママと赤ちゃんが退院して家に戻ってきた日に、上の子2人の時には使わなかったベビーベッドを急遽ネットで購入。これで、部屋で走り回る2人に踏みつぶされる心配はなくなり一安心です。

 

上の子たちの時と一緒だろうと思っていた矢先のできごと。初日からこれからどんな新しいことが起こるのかと育休生活が楽しみにもなってきます。

 

しかし、まだ上の子は2人とも自分を1番可愛がって欲しい時期です。どうなることかと心配でしたが、意外にも赤ちゃんを可愛がってくれることに子どもたちの成長を感じることもできました。

 

育休に入り、上の子たちの幼稚園や小学校と関わる時間も増えました。

少しずつできることが増え、それが自信となって、もっと挑戦できるようになってきているようです。友だちや先生との接し方から成長を感じることもあります。

 

いままで「○○君と遊んだー」と言われても顔が思い浮かばなかった子どもの友だちも、数週間もすれば覚えてきて、ママたちの顔もわかるようになってきます。子どもの友だちから「○○君のパパだー」と顔を覚えてもらえた時はうれしかったりもします。

新生児のことだけでなく、まだまだ親の手が必要な上の子たちと関われることも育休の良い所だと実感しています。

 

サラリーマンっていいよ

 

私は2回の育休を経験して、子どもたちに自信を持って「サラリーマンって結構いいよ」と言えるようになりました。

大変なことは多いですが、サラリーマンには育休を取り安心して育児に専念するチャンスが誰にでもあります。育休を取ったことで「少しくらい自分や家族を優先して生きてみてもいいんだ」ということを実感できたことも大きいかもしれません。

 

会社を離れもうすぐ3か月、会社での仕事や人間関係が恋しくなったりもしてきます。

復帰したらもっと頑張ろうと思えてくるので、これって結構良いサイクルにはまっているのかなと自分では思っています。

前回の育休期間が3か月だったので、これからが未踏の領域です。ママたちが当たり前のように職場を離れる年単位の長期間を経験できるのはこれからです。

大変さや不安を今以上に味わうことになるのか?もしくは反対に鈍化していくのか?

それはわかりません。

良いことも悪いこともある家族で過ごせる365日。
恐らくもう二度と訪れることのない365日。

1日1日を大切に過ごしていければと思います。

ではまた。

 

辻 竜也

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1988年生まれ、福岡県出身。15才で愛知県豊田市へ移住。製造業会社員として働く三児の父。2021年、子どもと参加した農体験で里山の魅力と課題を実感した経験...

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