【集落支援員募集】次のキャリアを探すベテランのあなたへ!住民によりそい、縮小する山里の未来を支えてみませんか?
「豊田市」と聞いて、あなたが最初に思い浮かべるのは、もしかしたら某自動車メーカーかもしれません。
そのイメージ通り、豊田市は自動車産業をはじめとした製造業が集積する、全国有数のものづくりのまちです。
しかし、豊田市は市域の約7割を森林が占める、自然豊かなまちでもあります。人口は約41万人。そのうち、都市部に住む人が約95%、残りの5%は山村部に暮らしています。
山村部では、現在進行形で移住や関係人口づくりの活動が盛んに行われています。それでもこの10年間で人口は4,242人減り、65歳以上の割合は半分に近づいています。

2018年に廃校となった小学校の校舎を活用した地域拠点「つくラッセル」
止まらない人口減少と高齢化という現実に直面してきた豊田市は、都市と山村をわけて考えるのではなく、つなぐことで、互いに抱える課題の答えを探そうとしてきました。その実践をしているのが、一般社団法人おいでん・さんそんです。豊田市旭地区・旭八幡町にある、小学校の跡地を活用した地域拠点「つくラッセル」の2階に事務所があります。



つくらっせるの2階にある(一社)おいでん・さんそん事務所
移住相談への対応をはじめ、山村をフィールドに生き方を学ぶ山里ひとなる塾の運営や、とよたの山里応援隊の組織化など、定住人口と関係人口を増やす取り組みを続けています。
こうした取り組みをさらに広げるため、今回豊田市と(一社)おいでん・さんそんは役割の異なる二つの担い手を募集します。地域おこし協力隊2名と、山村地域集落支援員1名です。
こちらの記事では、山村地域集落支援員の募集内容についてご紹介します。
(地域おこし協力隊の募集記事はこちら)
豊田市山村地域では、人口減少や高齢化が進むにつれて、従来のやり方のままでは、行事や共同作業などを続けることが難しくなる集落が増えてきました。集落のなかには、話し合いを重ねながら、自治活動の規模を小さくしたり、形を柔軟に変えたりしているところもあります。
一方で、どのような変え方が適切なのか判断に迷ったり、見直しに着手できないまま課題を抱えている集落があることも事実です。
集落活動だけでなく、地域の安全安心やつながりを支えてきた様々な組織のあり方についても、時代に合わせた見直しが求められています。

つくラッセルの階段にある鏡
こうした状況のなかで、新たに設けられたのが集落支援員という仕事です。
集落支援員は、地域に入り込み、現状や声を丁寧にくみ取りながら、自治活動の見直しや統合に向けた話し合いの場をコーディネートします。また、再編に取り組んだ地域の事例を整理し、ほかへと共有していく役割も担います。
正解を提示する立場ではありません。
地域の人とともに考え、ともに悩み、これからの形を探っていく伴走者です。
概ね40歳以上の方を対象とした今回の募集。
これまでの仕事や暮らしのなかで、人と人のあいだに立ち、調整したり、話を聞いたりしてきた経験をお持ちの方を想定しています。
これから先の働き方や生き方を、ふと考え始めたとき、
「これまで積み重ねてきたものを、別の形で活かせないだろうか」
そんな思いが心に浮かんだことのある方にこそ、向いている仕事です。
新しいスキルを一から身につけるというよりも、
これまで培ってきた視点や関わり方を、地域の現場で活かしていく。
集落支援員は、そんな第二のキャリアの選択肢になり得る仕事です。
ここまで読んで、少しでも心が動いた方は、ぜひ読み進めてみてください。

森に囲まれたつくラッセルの全景
これまで通りの「お役」に無理がきている
近年、豊田市の山村地域にどんな変化が起きているのか。(一社)おいでん・さんそん代表の戸田友介さんに話を伺いました。
戸田さんは旭地区に移住して16年目。代表であると同時に、地域の一員として暮らしながら、変化を目の当たりにしてきた一人でもあります。

戸田友介さん
戸田さん 人が少なくなってきて、一人が担うお役の数が増えてきています。年を重ね、無理が効かなくなっているのも事実。僕の集落では、環境美化の草刈りの範囲を狭めたり、お祭りの準備をお役の人だけが担うのではなく、できる人みんなでやる形に変えたりしてきました。変えている集落もあれば、まだ取り組めていない集落もあるようです。
自治区単位でアンケート調査をすると、「お役が大変」という声が多く上がってくるそうです。
戸田さん 集落のことだけでなく、より広い範囲で担うお役のことも含まれているのだと思います。たとえば、消防団では若い人が少なくなり、引退する年齢が以前より高くなりました。次の人に交代しようとしても、引き受け手が見つからない。そんなケースも増えてきました。
人がある程度いて、今よりも年齢層が若かった頃の自治のあり方のままでは、いよいよ立ち行かなくなってきている。そういう段階に来ていると感じています。
しかし地区を超えた組織で一律に取り組んでいることについては、簡単に見直すことはできません。山村地域の判断だけで変えられるものではなく、制度や広域な仕組みとの調整が求められます。

戸田さん もちろん、必要だからこそ役が割り当てられてきたわけです。やれなくなったから、なくせばいいという単純な話ではありません。地区を超えた組織と地域が調整し合いながら、現状にどう向き合うのかを考えていく必要があります。
そこで、今、求められているのが集落支援員の役割です。
一つは、集落や自治区単位のお役の見直しや再編を、地域とともに進めていくことです。
外部の力を借りたいという意向があれば、おいでん・さんそんが実施している集落活動サポートにつなぐなど、既存の事業も選択肢に含めながら支援を進めていきます。
もう一つの大切な役割が、地区を超えた組織から地域に割り当てられるお役について、地域と組織のあいだに立ち、調整を行うことです。地域の実情を踏まえながら、双方が納得できる形を探っていきます。
一人ではなく、チームで進める集落支援
実際の仕事はどのように進めていくのでしょうか。統括マネージャーの深谷康史さんに話を聞きました。

深谷康史さん
深谷さん 今回新たに設けられた仕事ではありますが、すべてを一人で担わなければならないということではありません。2025年度には、一般社団法人持続可能な地域社会総合研究所が山村地域のいくつかの自治区に入り、人口推計や自治区・町内会の実態調査などを進めてきました。2026年度も引き続き調査が行われる予定です。
集落支援員は、その調査とも連携しながら、地域に伴走していく役割を担います。もちろん、おいでん・さんそんのスタッフも一緒に取り組みます。関係各所が連携しながら進めていく体制を整えています。
戸田さん 山村地域の実情をある程度理解していることが、集落支援員として必須です。それまでの仕事や暮らしで、支援やサポートの経験があって、地域の人たちと落ち着いて話ができる方がいいですね。

集落の現場では、どのような関わり方が求められるのでしょうか。集落活動サポート事業を担当しているコーディネートスタッフの坂部友隆さんに、日々の実践や、集落に入る際に心がけていることを聞きました。

坂部友隆さん
ある本との出会いで豊田の山里へ
本題の前に、坂部さんが入社した経緯について聞いてみました。
坂部さん 僕は豊田市出身ですが、2005年に山村地域が合併した翌年、就職のために東京へ移り住みました。そのため、「豊田市に田舎があること」を知らずに過ごしていました。
2011年、東京で東日本大震災を経験。食べ物や電気が十分に手に入らない状況のなかで、「人と人とのつながりがいかに大切か」を実感したといいます。
その後、東京の書店で1冊の本を手にとったことが転機となったそうです。『農的な生活がおもしろい』というタイトルに惹かれ、ページをめくるうちに、豊田市の山村地域でさまざまなプロジェクトが行われていることを知ります。インターネットで、本の内容について調べていく中で出会ったのが、おいでん・さんそんセンター(その後一般社団法人化)のスタッフ募集でした。

この本には代表・戸田さんが関わるプロジェクトについても書かれている
坂部さん ちょうど豊田に戻ろうかと考えていたタイミングでもありましたし、人や地域、企業などをつなぐ中間支援の仕事をやってみたいと思い、応募しました。
入社当初から、坂部さんは集落活動サポート事業の担当をしてきました。具体的にどんな内容の事業なのでしょうか。
坂部さん とよたの山里応援隊という登録制度を設けていて、主に都市部のボランティアの方々に登録していただいています。集落から「草刈りを手伝ってほしい」といった活動の要請を受けると、その内容をボランティア情報として応援隊の皆さんにメールでお知らせし、参加の申し込みを受け付けます。
年に何回くらい実施しているのでしょうか。
坂部さん 今年度はこれまでに延べ29回実施しています。一番多い依頼は草刈りで、他には夏祭りのお手伝いや、林道の整備、獣害ネットフェンスの設置などもありました。人手不足を補えるので、「助かった」と言っていただけることも多いですし、地元の方と応援隊の方たちとの交流も生まれていてうれしいです。

林道整備の様子
地域の「大切なもの」に敬意を
ボランティアの方たちと集落に入る際に、心がけていることはありますか。
坂部さん 初めて依頼を受けた集落に入るときには、全体の集まりの場で応援隊の方たちにきちんと挨拶をしてもらうようにしています。地域外の人たちを受け入れることに不安がある方もいらっしゃると思うので、どこから来たのか、名前、今感じていることなどを話してもらうことで、少しでも安心してもらえたらという思いがあります。また、応援隊には名札を付けてもらい、集落の人たちが声をかけやすいようにする工夫もしています。
他にも気をつけていることがあれば、教えてください。
坂部さん 個人的に、集落の皆さんが大切にしているものに敬意を払うことを大切にしています。たとえば神社やお寺、祭りなどの伝統行事について理解しようとする姿勢は、地域の方たちとコミュニケーションを取る上で重要だと感じています。
以前足助地区に住んでいたことがある坂部さんは、地域の人たちにとって祭りがいかに大切なものか身をもって感じてきたそうです。坂部さんの「地域の人々の想いに寄り添い、丁寧に関わる」という心がけは、集落支援員の働き方のヒントになるのではないでしょうか。
最後に、坂部さんに応募を検討している方へのメッセージをもらいました。
坂部さん 地域の合意形成を進めていく中には、あまりポジティブではない話も出てくると思います。そういう状況で、住民の方たちに寄り添いながら、意見を汲み取り、まとめ、進めていくのは、難しく感じると思います。でも、一人で取り組むのではなく、おいでん・さんそんのスタッフも含めてチームで支援を進めていくので、心配しなくて大丈夫です。正解がなくて難しい分、やりがいも大きいと思います。

前センター長から「坂部さんが来てから事務所の植物が枯れなくなった」と言われた気配りの人
今回の募集を機に新たに新設される山村地域集落支援員。
目指すべき正解がない中で、地域の人とともに考え、ともに悩み、これからの形を探っていく仕事は、きっと簡単なものではないでしょう。
しかし、これまでの人生を通じて粘り強く何かに向き合ってきた経験がある方にとっては、チャレンジしがいのある仕事とも言えます。
人生100年時代。長年積み上げてきたキャリアを活かし、次のステージで地域の新しい未来づくりに挑戦することができる時代です。
ぜひ一歩、踏み出してみてください。
募集要項
募集要項については、以下のボタンをクリックし、(一社)おいでん・さんそんのページをご覧ください。


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