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【空き家を事業に使うメリット教えます】vol.1 外国の街並みは、どうしてワクワクするの?

コラム

みなさん、こんにちは。一級建築士事務所風とガレの吉谷です。

僕の事務所は豊田市内にあり、空き家のリノベーション を専門にしています。今ある建物を壊して、新しいものを建てるのではなく、上手く活かして、より価値のあるモノに変えられるところが民家再生・リノベーションの魅力です。

日本建築が大好きなので、古民家の再生・リノベーションを設計・監理できるとうれしいですが、古民家でなくても昭和後半の建築物など、良い所を活かしてあげれば、また新しい価値のある建物になります。そこにやり甲斐を感じています。

リノベーションと聞いて、リフォームとは何が違うのと思いませんか?リフォームは、例えばキッチンを新しいものに取り替えたり、壁のクロスを張り替えるなどのように、 元々あるものを新しくする工事のことを言います。それに対して、リノベーションは間仕切壁を取り除いて部屋を広くしたり、耐震性能や断熱性能を高めるために壁の改修工事をしたり、用途や機能を高めたりする工事のことを言います。

僕のコラムでは、「空き家を使って事業をしたい」という方に向けて、そのメリットをお伝えしていきます。

 

きっかけはバックパッカー旅行

本題に入る前に、今回は、なぜ民家再生・リノベーションを仕事にすることになったか、僕自身のことについて書いてみようと思います。

実は建築を志した時から民家再生・リノベーションをやりたかった訳ではありません。転機になったのは、大学4年生に上がる前の1年間休学を取って、アメリカ東部・西ヨー ロッパを旅行したことでした。一番の目的は、スペイン・セビリアにあるアラミジョ橋を自分の目で見ること。あまり知られていないかもしれませんが、建築士も橋の設計をすることがあるのです。

僕はアラミジョ橋を写真で見て、その素晴らしさに一目惚れし、建築士を志すことにしました。また、大学の授業で学んでいた建築物も、実際に見に行ってみようと思い立ちまし た。その当時の僕の頭には、「民家再生・リノベーション」についての興味は微塵もありませんでした。
ということで、アメリカ東部・西ヨーロッパを、西洋建築物と街並みを観て回る1年間 のバックパッカー旅行に出発しました。

バックパッカー時代の吉谷

バックパッカーの旅は、アメリカ・シカゴからスタートしました。目的の建築物を目指して進んで行く道中、アメリカでは『都市』の印象を受けました。日本の都市と同じような雰囲気です。それが、ヨーロッパでは、全く違いました。すごくワクワクしたんです。

ただ街中を歩いているだけなのに、なぜそんなにワクワクするのか。その国ならではの街並みの雰囲気を感じたからだとわかりました。

イタリアのペルージャのように町全体に昔ながらの街並みが残っている都市もあれば、 フランスのパリやスペインのマドリードのように新しく現代建築物が建てられても、昔ながらの街並みの雰囲気が感じられる都市もあり様々ですが、どの街並みにもワクワクします。

イタリア・ペルージャの街並み

フランス・パリの街並み

日本もヨーロッパに負けないぐらい歴史はあるはずなのに、なぜワクワクする街並みが少ないのか。理由の一つは昔ながらの建築物がどんどん減っていることではないかと考え たのです。

 

日本建築の良さを見つめ直す

その時から俄然、日本建築に興味が湧いてきました。日本建築に関わる仕事がしたいと思うようになりました。日本でも古民家再生・リノベーションを専門にしている設計事務所があると聞き、古民家再生・リノベーションを専門にした仕事を目指すことになりました。

大学卒業後は、奈良市にある古民家再生の設計・監理を専門にしている設計事務所で経験を積みました。その設計事務所では、古民家再生の設計・監理だけでなく、有形登録文化財の登録、保存修理工事や民家調査報告書の作成など日本建築に関わる仕事に携わりま した。知れば知るほど、どんどん日本建築の魅力にのめり込んでいきました。

日本建築には、職人の知恵、工夫、技術が受け継がれています。大工の技術の高さは木造の造りを見てもらえば一目で感心するに違いありません。例えば、大きく曲がった丸太梁を組み合わせる技術。建具なら、格子を道路側に入れることでプライバシーを確保しつつ、明かりを室内に取り入れられるようになっていたりします。

民家再生・リノベーションすることで、それらをいろんな人たちに知ってもらえることが仕事のやりがいになりま した。

曲がった丸太梁を組み合わせる職人の技術

長い格子と短い格子を組み合わせ、外からの視線を遮りながら光を入れる工夫

奈良の設計事務所で担当した物件

奈良市の設計事務所の後は、名古屋市にある工務店で設計担当をしました。そこでは、 省エネルギーやゼロエネルギー住宅に特化した設計の経験を積みました。民家をただ再生・リノベーションするだけでは意味がない。再生・リノベーションした民家を長く使っ てもらうには快適さが必要です。また、省エネルギーであることは社会の方向性としても重要です。

省エネルギーであるには、建築物内部の温度変化を小さくする必要があります。温度変化が小さければエアコンの稼働が少なくて済みます。エアコンの稼働が少ないと消費する エネルギーが少なくて済む。

普段の生活で快適に過ごせる環境とは、暑すぎず寒すぎない、室温がほとんど変わらない環境のことです。なぜなら、体に掛ける負担が少なくて済むからです。体に掛ける負担が少なくなると、健康を損ねる確率が下がります。そのため、省エネルギーやゼロエネルギーは『健康』にもつながっていくと言えます。 省エネルギーやゼロエネルギーにすることができれば、解体して新築するという選択肢だけでなく、民家再生・リノベーションをもう一つの選択肢として考えてもらえるのかなと思っています。

 

風とガレの由来

省エネルギーやゼロエネルギーの設計の経験を積んだ後に、生まれ育った豊田市で民家再生・リノベーションを事業として取り組んでいくことで、日本建築のおもしろい所や魅力を発信していきたいと思い、一級建築士事務所風とガレを設立しました。

風とガレ?変わった名前だなと思った方もいるかもしれません。 事務所を設立するに当たり、豊田市を起点として事業を進めていくので、屋号に三河弁を入れようと考えました。そこで調べてみると、『〇〇さんがれ→〇〇さんの家』という表記を見つけました。建築の設計事務所なので、『家』を意味する三河弁はちょうど良いということで、『ガレ』を使うことにしました。

また、僕が建築の設計をするときにとても意識する要素の一つとして『風の通り』があり、 『風』も名前に入れました。陽当たりなどは太陽の動きや方角などから比較的予想しやすい要素ですが、風は地形などの影響もあって予想することが難しい。そのため、風の通り を考える時はとても神経を使って設計しています。

この2つの理由で決めた屋号が、『一 級建築士事務所 風とガレ』です。
長くなりましたが、以上が民家再生・リノベーションに魅せられ、仕事にするまでの経緯です。次回からは、空き家で事業をしてみたい方たちに向けて、具体的なメリットのお話をしていこうと思います。


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一級建築士事務所 風とガレ吉谷 真也

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民家再生技術者/既存住宅現況調査技術者/暮らしの省エネマイスター 学生時代に欧米の建築や街並みを巡る旅をする。この時、ヨーロッパの歴史的建造物を活かした街並...

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