田舎暮らしの春
都会の喧騒から離れた所謂「田舎暮らし」、自然に囲まれ、季節の移ろいを肌で感じる生活。
コロナ禍で緊急事態宣言が出され、STAY HOMEが叫ばれる今であっても、平時と変わらぬ時が流れているのが田舎暮らしです。
都会暮らしの時とは時間の流れ方自体が違うような、のんびりとした…………
2019年の春に3密とはほど遠い豊田市の中山間部に移住して、丸一年が経ちました。
最近はハチミツにハマってる僕ですこんにちは。
我が家がある豊田市旭地区にも、養蜂してハチミツを販売している方がいます。
そんな方がいるにも関わらず、海外産のハチミツで大変申し訳ないのですが……だって地元産のハチミツ手元になかったんだものこのハチミツおいしいんだもの。
ハチミツにハマりすぎて、妻から「小太りの黄色い熊」と呼ばれています。
都会の喧騒から離れた所謂「田舎暮らし」、自然に囲まれ、季節の移ろいを肌で感じる生活。
コロナ禍で緊急事態宣言が出され、STAY HOMEが叫ばれる今であっても、平時と変わらぬ時が流れているのが田舎暮らしです。
都会暮らしの時とは時間の流れ方自体が違うような、のんびりとした…………
んなワケあるかい。
田舎暮らしはのんびりなんて幻想、都会暮らしよりも遙かに忙しいのが田舎暮らし。
緑豊かな生活環境を得た代わりに失ったものは時間。
都会の喧噪からは離れたかもしれんが、春の田舎暮らしに静寂なんて単語は存在せず、昼間は草刈りする刈払機のエンジン音が鳴り響き、夜はカエルが大合唱。
コロナ禍であれもこれも自粛の嵐だけど、筍も雑草も自粛してはくれん。
ちょっとは空気読めやと自然に対して思いつつ、今日も出勤前に草刈り。
そう、週末だけでは時間が足りん。
出勤前とか帰宅前とか、隙間時間を使って草刈りしないと追いつかん。
ぶっちゃけ、移住する前はここまで草刈りに追われるとは思ってなかった。
これからの季節、ちょっとでも手を抜こうもんなら緑に押し潰されるのが田舎暮らしです。
緑も豊すぎると肥大というか肥満状態というか、日々迫りくる勢いで繁殖する雑草は緑の侵食と表現できるレベルです。
正にグリーンシーズン、「vol.1僕が暮らす田舎」で「筍取りは竹と人の陣取り合戦」と表現しましたが、雑草と人も陣取り合戦するのですよ。
これは戦いなのです。
草刈り楽しいよ?
何たって刈った痕跡が一目で分かるから、成果や進捗が非常に分かりやすい。
分かりやすいから達成感が得やすい。
分かりやすいから……残ってる面積に絶望感を覚えることも……
基本フルタイムサラリーマンなので、まとまった時間が確保できるのは土日祝日なわけですが、前述の通り、週末だけじゃ時間が足りないのです。
出勤前と帰宅前、毎日30分〜1時間ほどの隙間時間を使いながら、日にちを分けて刈り進めていくと、全部刈り終えたと思ったら最初に刈った場所が振り出しに戻ってることも……一目で分かるから……
これが田舎暮らしの現実です。
人 vs. 自然の仁義なき戦い。
上の写真は新緑のモミジです。
紅葉したモミジも美しいですが、個人的には新緑のモミジの方が好きです。
草刈りは大変ですが、こういった美しい緑に囲まれる生活は、やはりいいものだなあと、草刈りしながらふと見上げた時に思うわけです。
4月7日に緊急事態宣言が出され、4月16日にはその対象地域が全都道府県に拡大されました。
そんな緊急事態宣言下の我が家では、コロナ禍に負けずに米作りの準備です。
そう、4月中旬からは農業が繁忙期に入るわけです。
我が家が管理している農地は田畑を合わせると約4,600平米(約1,392坪 / 0.46ヘクタール)になります。
我が家は農家資格は持っていませんが、豊田市は空き家情報バンクを活用して物件を購入すると、特例として1,000平米までの農地が取得できます。
その特例を活用して取得した自己所有農地が994平米、残りの農地は我が家の前所有者さんがお持ちの農地で、今年から使用貸借権を設定してお借りすることにしました。
昨年も、当該農地については管理(草刈り)だけはしていたのですが、今年は農業委員会等に相談した結果、管理しているのであれば使用貸借権を設定した方が良いという話になりました。
そんな我が家管理農地の中で最も大きい面積を占めている筆が、総面積2,000平米を超えているこちらの田です。
田です。田なんです。10年以上耕作放棄されている田なんです。
セイタカアワダチソウに埋め尽くされていますが、ここは田なんです。
昨年、この田の管理(主に草刈り)があまりにも大変だったことから、同じ苦労をするなら米作ろうと思い至ったわけです。
米作り経験ゼロで始める、耕作放棄田の復活。
不安しかありませんでしたが、今年の4月に我が家から4kmの集落に米作り経験のある友人家族が引っ越して来たので、その家族の力も借りて何とか何とか田植えまでこぎつけることができました。
上の写真は、代かき後の我が家の田です。
セイタカアワダチソウに埋め尽くされていた、あの田です。
本当に田だったんだなあと思った1枚ですw
田起こしや代かき、田植え等の農業機械を使う作業は、我が家がある豊田市旭地区にある「押井営農組合」さんに全部委託です。
フルタイムサラリーマンですから、委託できる部分は委託していかないと手が足りません。
委託料がかかりますからコスト的には完全自作田と比較すれば高いものになりますが、我が家が普段買っている米のkg単価で比較して、同等かもしくは少し安いぐらいかになる試算です。
まぁ、そこにかかる自分の人件費は度外視ですが……
田植えまでに自分たちでやったのは、田起こし前に昨年刈ってそのままにしてあった枯草の集草・処分、水路の掃除、代かき前には法面の草刈りや波板の設置、畦畔盛土、代かき後には畔塗り、田植え後に電柵の補修といった感じです。
こうして書き出してみると大したことない作業量に見えますが、友人家族と一緒でなければ……と思うぐらいの作業量で、友人家族にはかなり助けられています。
ちなみに、法面の草刈りは3人工で集草までで4時間、電柵補修は補修という名のほぼ全面張直しだったので2人工で4.5時間です。
緊急事態宣言を受け、集落自治会の新年度総会等の3密状態になる可能性のある行事は軒並み中止、議案については書面決裁となりました。どうしても行う必要がある補助金等の説明会は、1度に集まる人数を極力減らし、集会所の窓は全開放、全員マスク着用で要点のみを説明という形に変更されました。
毎年6月と9月に環境美化活動(県道等の主要道路脇の草刈り等)があるのですが、これは予定通り実施予定とのことです。
まぁ、田舎の環境美化活動は参加者ほぼ全員が刈払機使用ですから、作業時は間隔を15m以上空けるのがそもそもの事故防止の観点からも重要なので、密になりようがないということで。
同様の理由で、刈払機を用いた共同作業なんかは平時と同様に実施しています。
こども達は、長男は学校が休校になり、次男はこども園から登園自粛要請が出ていますし、お兄ちゃんが家にいるのに僕はこども園行きたいなんてタイプの子ではないので当然家にいますし、長女はまだおしめ外れてない乳児ですし、妻にはかなり負担がかかっていることだと思います。
まぁ、長男は去年の1月からホームスクーリングだったので、新年度早々に休校になっても我が家はそれまでの日常とあまり変わりなかったわけですが……w
本人は、新年度新学年新しい担任の先生の授業が楽しかったらしく、「休校いやー」とか言ってましたが……
我が家は「学校は行きたければ行けばいいし、行きたくなければ行かなくてもいい」という方針で、本人の意思を尊重するというスタンスなので、何もコロナ禍のこのタイミングで登校再開しなくてもいいのにと心の中では思えども、本人が行くと言ってる以上は親の意思でそれを曲げることはしませんでした。
ちなみに、ホームスクーリング期間中、本は読みまくっていたけど所謂スクーリング的なことはまったくと言っていいほどしなかった長男ですが、それまでできなかったはずの計算が突然できるようになっていたりと、今の学校教育って何なんだろうか……と思うこともありました。
上の写真は今年の1月、ホームスクーリングに入った直後ぐらい、竹槍を作る我が家の大工さんですw
上の写真は今年の1月、ホームスクーリングに入った直後ぐらい、竹槍を作る我が家の大工さんですw
彼はこれといった練習なしである日突然箸が使えるようになったりと何かと“突然”が多いタイプではあるのですが、面白いもんです。
教育については色々と思うところがありますが、それはまた別の機会に。
前述の自己所有農地994平米が自宅に隣接していますし、宅地面積だけで730平米ありますしってことで、STAY HOMEの範囲が広いのが田舎暮らしのいいところです。自宅敷地内だけでも外遊びも含めて十分に遊ぶことはできますし、田舎でもネット環境は整っていますからネット動画は普通に見れます。
週末は僕の田んぼ仕事のタイミングで長男&次男は一緒に田んぼに連れていったりしてます。
これが集合住宅暮らしだったら、自宅以外に居場所がなかったらと思うと、去年の時点で移住できていてよかったなと思った2020年のGreen Weekでした。
調子に乗ってTシャツ作りました。
作ったといっても、SUZURIというプラットフォームで作ったので、在庫を持つことなく、売れたらオンデマンドでプリントされて配送されるという仕組みです。
田舎暮らしあるあるネタなTシャツになってますので、お気に召したら是非!
2019年春より豊田市の中山間地域に古民家をリノベーションし定住。自転車とパスタとパンクロックをこよなく愛し、会社員、フリーランスデザイナー/ディレクター、...
プロフィール
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