いくちゃんの子育て短歌〜春夏秋冬〜|第6回秋・田んぼ

コラム

前回のコラム↓

田んぼには神様がいるような気がします。

雨やお日様や、田植えや稲刈りを手伝ってくれる友人の存在に深く感謝する稲刈りです。

どんなに能力や体力があってもひとりではお米はできなくて、たくさんの存在の絶妙な連携のなかに、実りがあって生かされていると感じます。そのことを忘れないでいるために、田んぼをやっているのかもしれません。

田植え前に生き物探しをするのが子どもたちと私の楽しみです。みんなみんな、田んぼに生かされる仲間だなあと思います。

最初は手刈りではざかけもしていたけれど、数年前から文明の利器に、お世話になることにしました。興味を持つ子どもたちを田植え機やコンバインに乗せて、機械のことを説明してくれる友人の優しさがうれしいです。

担い手が減っていると言われているなか、田んぼのお仕事を心から尊敬しています。

移住してくる前にこのあたりのお米を初めてご馳走になったときの衝撃といったら。「全然味が違う!!!」お水がきれいなことと、気候がお米を美味しくするのだそうです。毎日頂いているうちに普通になってしまいましたが、あの最初の衝撃は今も覚えています。

美味しいご飯が食べられる幸せ。

とれたお米に種菌をつけて米糀を作り、味噌仕込みや甘酒に使います。米粉にすればおやつもできます。

藁は畑に使います。神社のしめ縄もみんなで作るんです。ご近所のばーばは、藁で編んだ手作りのゴザを今も使っています。とっても丈夫なんだそう。昔はわらじも作っていたと聞きました。藁の道具は、擦り切れたら土に還っていきます。

食べ物も暮らしの道具も田んぼや山から。そしてまた土に還っていく循環のなかにある暮らしが、少し前までここにあったんだなあ。

次回のコラム↓

戸田育代

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豊田市の山村地域に夫婦で移住して11年。4人の子育て中。子どもたちと、野山や田んぼの広がるご近所を散歩することが好き。子どもの頃に海外に住んだことがきっかけ...

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