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【空き家を事業に使うメリット教えます】vol.2リノベーションをオススメする5つの理由

コラム

今回は、僕が今まで民家再生・リノベーションの設計監理を経験してきた中でわかったメリットを5つ紹介します。

昨年6月末、建築基準法が改正されました。そのことで、今まで以上に民家再生・リノベーションをして、商業施設や福祉施設に活用しやすくなりました。その事もあわせて5つのメリットをご紹介します。

第1回目のコラムはこちら

 

コストコントロールができる

 

「コストコントロールができる!」とはこだわりたい部分に予算を重点的に充てられることです。

何もない更地から事業を始めようとすると、その起点となる施設が必要となり、新築することになります。その場合、箱物だけの建物でも予算は千万円単位となります。そして、施設として設備や付加価値などが必要となってきます。

しかし、空き家を民家再生・リノベーションするのであれば当然ですが、すでに建物はあります。手直しする部分があるにしても新築するほどの予算がかかることはほとんどないので、その分必要な設備や付加価値などに予算を大きく充てられることになります。テナントに入る感じに似ていると言えます。

 

リノベーションの例を見てみましょう。この写真は改修前の写真です。

この時の要望は『店内を明るくしたい』と『ホール(外部)から丸見えになるのを避けたい』でした。イスとテーブルを改装するにあたりこの要望も実現するよう、決められた予算の中で依頼を受けました。

 

改修する方法は壁・天井を明るい色にする等いろいろあります。僕が提案したのは、予算のほとんどを後者のために使い、前者の要望にはあまり予算をかけず、ちょっとした工夫で実現させる案でした。

このように元々ある空間に手を加えれば、予算をほとんどかけなくてもよい部分が出てきます。その分、必要な部分に予算を充てることができるのです。

 

 

リノベーションでも、新築と同様の機能性を備えられる

 

多くの人は建築物を改修するにあたって、どの程度まで機能性を高められるのかイメージしにくいのではないでしょうか。

実は、皆さんが思っている以上に機能性を高められるのです。よくお客様と打合せをしていく中で、「えっ!そんな事もできるのですか!」ということがあります。

 

例えば、自宅の一室を美容院に改修する工事は、「当初自宅を建てる時はまさか美容院をやると思っていませんでした。事前に設備工事を一切していないので無理ですよね」という雑談がきっかけでした。「事前に設備工事をしていなくても、改修は難しくなく、一般的な工事でできますよ」と伝えたことで始まりました。

 

空き家など築年数がたっている建物は、断熱性能が今の時代と比べると劣っています。しかし、断熱性能を上げることも難しいことではありません。

もしかしたら、断熱改修工事は予算が高くなると思われるかもしれません。しかし、先ほどのコストコントロールをすれば、全部を断熱改修するのではなく、本当に必要な部分だけを改修することもできます。その他にも床暖房設備や最新のシステムキッチンを入れることなど、今ある建物に現代技術を組み込むことは可能なのですよ。

 

オリジナル性の高いものになる

 

事業として展開していく上で必要なことの一つに、「他社にない強み」つまり自社の強み・オリジナル性があるのではないでしょうか。

その強み・オリジナル性はソフト面であったり、ハード面であったりといろいろです。空き家をリノベーションすることで既存の建築物にある魅力を強みできます。ハード面をオリジナル性の高いものにすることができるのです。

特に中山間地域の空き家においては、部屋と縁側や庭への繋がりができていて空間の往来がしやすかったり、建具を外すと部屋と部屋を一体化することができたり、物件によっては大きな丸太梁の小屋組(以下の写真参照)が見られるなど隠れた魅力がたくさんあります。

これらの魅力を活かすことによってオリジナル性の高いものにできます。

建築基準法の改正で、リノベーションで用途変更することが容易に

 

冒頭にも触れましたが、昨年6月末に建築基準法が改正され、今まで以上に空き家をリノベーションして、商業施設や福祉施設へ活用しやすくなりました。

民家再生・リノベーションをしやすくなった改正は2つあります。一つ目は『200㎡以下の特殊建築物への用途変更は建築確認が不要』。そして二つ目が『小規模建築物の用途変更は防火改修が不要』です。

近年全国的に空き家が増加し、社会的問題となってきました。これらの改正は、用途変更の制限を見直し、既存建築ストックを容易に活用できるようにすることが目的です。この改正によって事業として空き家を活用するのにどの様なメリットがあるのでしょうか。

まず、一つ目の『200㎡以下の特殊建築物への用途変更については建築確認が不要』により事業をスタートさせるまでの時間管理がしやすくなり、設計から施工までの時間を短縮することができるようになりました。

今までは建築確認の申請をして、許可が出るまでは比較的長い時間がかかり、しかも、どれくらいかかるか明確でなかったため全体の時間管理が難しくなっていました。ところが確認申請が不要となったことで許可が下りるまでの時間がかからなくなりました。

同時にタイムスケジュールを逆算して把握できるようになり、時間管理がしやすくなりました。事業を展開していく上で、時間管理と時間短縮は大切ですよね。

 

二つ目の『防火改修が不要』は、一定の条件が付いていますが、その条件を満たせば防火改修をしなくても良いということです。

当然、改修工事の規模が縮小されるので、予算も工期も縮小されます。断然お得ですよね。ただし、気を付けなければならないことがあります。確認申請が不要であっても、建築基準法を守る必要があります。必要な部分の建築基準法は遵守すること。また、改正されたのは建築基準法であり、その他の関係法令、例えば消防法などは改正されていません。建築基準法以外の関係する法令についても遵守する必要があります。これらについては、専門家に確認しましょう。

 

地域や社会へ貢献ができる

 

前述しましたが、近年空き家が増加し社会問題となってきています。

空き家を活用することで、そこでの人の往来がうまれ、地域の活性化につながります。また、空き家をリノベーションして活用することで今の景観を大きく変えることがないため、地域全体の景観を残すことができます。さらに既存建築物を解体して、新しい建築物を建てるよりも産業廃棄物を削減することができ、環境問題にも貢献できます。

 

事業を展開していく上では、地域や社会に貢献することは今や大切な事となっています。空き家を活用する事でそれができるのであれば、こんな良いことはないですよね。

 民家再生・リノベーションのメリットを5つ紹介させていただきましたが、いかがでしょうか?

次回は、実際に豊田市旭地区で空き家をリノベーションし、福祉施設として活用している『地域密着型デイサービス・あんじゃない』を紹介します。

 


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一級建築士事務所 風とガレ吉谷 真也

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民家再生技術者/既存住宅現況調査技術者/暮らしの省エネマイスター 学生時代に欧米の建築や街並みを巡る旅をする。この時、ヨーロッパの歴史的建造物を活かした街並...

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