どんぐりいろいろ【今だから、からだで感じたい森の植物6回】

コラム

ブナ科の樹木の実を「どんぐり(団栗)」と呼び、どんぐりのなる木を「どんぐりの木」と呼びます。

 

日本には全部で24種類のどんぐりの木が自生し、そのうち豊田市内では落葉樹のコナラ・モンゴリナラ・ミズナラ・アベマキ・カシワ・ブナ・イヌブナ・クリ、常緑樹のアラカシ・シラカシ・ウラジロガシ・アカガシ・ツクバネガシ・ツブラジイ・スダジイ合計15種類自生しています。その他、クヌギ・イチイガシ・ウバメガシ・ナラガシワ・マテバシイが庭園木・街路樹などとして植えられています。

 

 

 

秋は、どんぐりが落ちる時期なので、いろいろな種類を拾って観察してみましょう。

どんぐりは種子本体と若い種子を守る殻斗(かくと)から構成されます。この殻斗を私は「パンツ」と呼びます。どんぐりのパンツは、その格好により、「トゲトゲパンツ」、「ウロコパンツ」、「シマシマパンツ」、「オムツパンツ」に分けらます。

トゲトゲパンツアベマキ・カシワ・クリの3種類です。ウロコパンツはナラの仲間で、コナラ・モンゴリナラ・ミズナラの3種類。シマシマパンツはカシの仲間で、アラカシ・シラカシ・ウラジロガシ・アカガシ・ツクバネガシの5種類。オムツパンツツブラジイ・スダジイのシイ類とブナ・イヌブナのブナ類です。

これら15種類のうち、食べられるのはツブラジイ・スダジイ・ブナ・イヌブナの4種類です。一番おいしいのはブナの実ですが、生育地がごく稀なうえ、数年に1回しか多く実りませんので、滅多に食べることができません。一方、シイ類は低地の神社などに大木が多いだけでなく、公園にも数多く植えられています。11月になるとたくさんのどんぐりが落ちますので、ぜひ一度は食べてみて下さい。厚い皮と薄い皮をむけば生でも食べられますが、フライパンで煎ると、とっても香ばしくておいしく食べられます。でも、冷えるとすごく固くなりますので、柔らかいうちに食べて下さい。

それ以外のどんぐりにはタンニンという渋み成分が多く、すごく渋くて食べることはできません。しかし、稲武地区では今から4千~3千年程前の縄文時代後期の中村遺跡から、たくさんのどんぐり(コナラ・ナラガシワ・アベマキ・クヌギ)を貯蔵する穴(ドングリピット)が見つかっています。水に浸して、タンニンの渋みをとってから、食べていたことがわかりました。どんぐりのタンニンが水に溶けることを、縄文時代の日本人が知っていたのです。本当にすごいですね!

 

どんぐりに関するいろいろな興味深い話は、まだまだたくさんあります。ぜひ、本やインターネットで調べてみましょう。でも、自然の中でどんぐり拾いをするのが一番楽しいことです。

北岡明彦

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1954年生まれ。名古屋大学農学部林学科卒。長年、愛知県の林務課に勤める。2005年度より新設された豊田市森林課へ出向。根っからの昆虫大好き少年が、植物・野...

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