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裏山の木でマイホーム建てまーす!|第3話 12メートルの松も!地元の製材所で柱にしてもらう

コラム

ボランティアグループの皆さんが山から材を出してくれた前回のコラムはこちら↓

 出した材は運搬され、製材の工程へ。新居と同じ築羽自治区の旭八幡町にある八幡製材さんに製材を依頼しました。今回は当時の様子を振り返りながら、製材について八幡製材の鈴木禎一さんにお話を伺いました。 

 

オーダーメイドで製材してくれる地元の製材所

 

 製材の工程は簡単に説明すると下記の通りです。 

① まずどのように製材をしたいのか希望を聞き、材を選別 
② 木の皮を剥ぐ 
③ 製材
④ 乾燥 

禎一さんの工場では「大量生産をするのではなく、どんな使用用途で、厚みはどれくらいでなどオーダーメイドで製材する」と八幡製材のこだわりを教えていただきました。 

 

八幡製材には6mまでの材の皮を剥ぐ、剥皮(はくひ)機という機械があります。 

ちなみに剥いだ皮は養豚場の豚の足元の敷き藁代わりになるとのこと。 

今回は12mの松がそのまま梁や桁になります。 

松は粘り強い強度があって梁や桁に使われています。最近ではこの近くでも松食い虫(線虫による木の病気)の為に良い木が無くなっていています」と、禎一さん。 

搬出しやすい場所に生えている松がなかなか見つからなかったのですが、大工さんに見つけていただき、伐って出してきていただきました。その松は12mで長すぎるため機械では皮むきをすることができず、夫と手作業で皮むきをさせてもらいました。 

機械自体がとても重たく、1時間も作業したら手の力が入らなくなりました。
ですが、自分の家づくりに少しでも関われて木に愛着がわきます。

皮むきをする理由は、製材する際に皮に砂や石が付いたままだと製材する刃を痛めてしまう恐れがあるからだそうです。

大工さんに簡単にこんな家にしたいと図面を書いて、お伝えしました。

それを元に大工さんから直接、禎一さんに製材の希望を伝えていただきました。 

職人どうしの会話は言っていることがさっぱり理解できません。 

これらの写真と動画が製材の様子です。

禎一さんは「12m材の製材はあまりしていないので、依頼主の希望通り製材するのは腕の見せ所だったよ」とおっしゃっていました。 

その後、乾燥させて完成です

最近では早く乾燥させるために、蒸気乾燥といって80度から120度の高温蒸気で乾燥させる装置が一般的になっています。しかし、本来自然界ではありえない温度で強制的に乾燥させるため、木の内部が破壊されるなど懸念点もあるそうです。 

 

時間をかけて家づくりをしていた

 

禎一さんから昔の家づくりについても伺いました。 

昔は家を造るのに時間をかけていた。材を出すのも今みたいにトラックはないから、牛で引いて出していたし、それを生業にされている方が旭にもいた。材もワイヤーを張って山から出すのを専門にされている方もいた。 皮を剥ぐのも機械はなかったから、鎌で手作業だったよ」 

今回の取材を通して、地域に製材所がある必要性を強く感じました。製材所のおかげで材を活かすことができる。地域にとってなくてはならない仕事だなと強く思いました。近くのホームセンターで簡単に材は買えてしまうけれど、地元の材に愛着を持ち、大切に使わせていただく精神を、この家を通じて次世代に伝えていきたいと思います。 

大山 侑希

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1986年生まれ、一宮市出身。幼少期から社会の仕組みに疑問を抱く。大学卒業後、大阪の会社、添乗員、事務職など都会で生きていくために奮闘。田舎で暮らしている同...

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