パパ、育児のため会社を1年休みます!|第3話 育休の終わり、共働き子育ての始まり

こんにちは!
前回の第2話目のコラムでは1回目の3か月育休でのできごとや心情、制度の話などを書きました。是非チェックしてみてください!

今回は育休を終え職場復帰し始まった共働き子育てについてです。
育休明けの職場の雰囲気、仕事・家事・子ども行事の話などをしていければと思います。
職場復帰の朝
3か月の育休を終え、いよいよ職場復帰の朝。
初日から遅刻しないように余裕を持って起き、身支度をして一息ついている際にふと感じたなんとも言えない寂しさ。
「ただ平日に会社に行く」という育休前だったら普通のことに、まるで単身で数年海外に赴任し家族と離れ離れにされてしまうときのような感覚(海外赴任したことはありませんが)。夕方には帰宅してまたすぐ会えるというのに。
改めて振り返ってみると、妻と出会ってからこんなにも一緒に過ごした時間はありませんでした。育児という我が家の重大プロジェクトに志を共にして一緒に取り組んだ3か月間。
今までの我が家では「夫婦」「子ども達の親」が私たちの呼び名でしたが、今回「戦友」という呼び名が新たに加わりました。
辞書をみると
戦友とは、同じ部隊に属して生活をともにし、戦闘に従事する仲間。戦場でともに戦った友。
とのことで、まさにぴったりな言葉です。育児は闘いでした。(ちなみに妻が隊長、私は兵隊ですね)
初日の朝から妻とこんな会話をしながら、本当にかけがえのない時間を過ごしたんだと実感がわいてきました。とは言っても、まだまだ育児は始まったばかりです。
新たなステージでの闘いがこれから始まります。
寂しさのあまり朝から子どもとじゃれつくパパ
不安な気持ちを乗り越えて
男性育休の一番の不安でもある復帰後の職場の雰囲気はどうだったかという話。
結論は
「みんな自分にそんなに興味ないから心配する必要なし!」です。
その頃はまだ前例のなかった男性の育休。「男が育休なんて仕事をする気がない」と思われるんじゃないかと勝手に想像していましたが、そんなことはありませんでした。
言われてみれば当たり前のことですが、みんなはみんなで自分の仕事や人生があり、他人のことをとやかく言うヒマはないのです。自分自身がそうであるように。
育休中に仕事をカバーしてくれ何事もなかったかのように振舞ってくれる職場の人には本当に感謝です。なんなら全くネタにもされず、ちょっと寂しい気持ちもあったくらいです。嬉しいことに「育休取るなんて素敵だね」と言ってくれる人もいました。
このように私の場合は、職場復帰前にあった「不安の気持ち」は心配するほどのことはなかったのですが、この先の会社生活にまったく不安がないかと言われるとそんなこともありません。職場環境によっては私以上に不安を抱えている人は多くいるでしょう。
しかし、不安ばかり抱えて生きていくのはなかなかしんどいものです。
育休という経験をポジティブに捉えて感謝の気持ちを持って前に進んでいくこと、不安はあるけれど自分で選択した人生を歩んでいくことを大切にしていければと思っています。
「育児力」を「仕事力」に
私の1年後に妻も職場復帰し、共働き子育て生活が始まりました。
上の子は幼稚園、下の子は保育園へ入園です
私がフルタイム、妻が時短勤務というスタイルで、結構限界ギリギリの生活です。世の中には夫婦共にフルタイムで働く家庭もあると思いますが、本当にすごいなと尊敬します。「子どもを見ながら夫婦でフルタイムなんて無理!絶対に破綻する!」というのが本音です。
共働きは、経済的な余裕がでる反面、どうしても家庭の時間は減ります。
夫婦共に育休を取った我が家は、「子どもとの時間の尊さ」「2オペ育児の重要性」(※第一話参照 https://engawa-toyota.com/wp/tsuji_childcareleave_1/)を痛感したことから、できるだけ家庭の時間を確保したいと考えます。
当たり前かもしれませんが、仕事では1秒でも効率化させて家族の時間を作れないかを考え、急な幼稚園からの呼び出しに対応できるように、職場での日頃の情報共有を通常以上に心掛ける必要もでてきます。
そして何より重要なのが夫婦の連携です。
お互いの予定はスマホカレンダーで常に共有して、幼稚園のイベントや突発のできごとには夫婦で対応します。どちらか一人ではどこかで必ず限界が来ます。思い通りにいかないことが当たり前の育児での経験が仕事に活きることもあります。
育児には、周りの人(子ども、妻、夫)を動かして成果(健やかに子どもを育てる)を出すという仕事・マネジメントと同じ部分があると感じています。
「どう伝えればモチベーションをあげられるか」「突発・変化が多い中でどう対応するか」「理屈の通じない相手にどうわかってもらうか」など。
育休で培った「育児力」は「仕事力」にも活きることを実感しています。
おうちは毎日荒れ放題。親の「気にしない力」も育まれました
育休後の新しい働き方「時短勤務」
時短勤務とは、育児・介護を理由に勤務時間を短縮できる制度です。
3年以上家庭中心で生活していた妻は、会社へ行くことをとても喜んでいました。子どもとの時間は本当にかけがえのないものですが、ちょうど子どものイヤイヤ期も重なり、四六時中一緒にいるとまいってしまうことが多くなった時期で、仕事がリフレッシュにもなるようです。
ただ、時短勤務はとにかく時間に不自由です。
基本残業ができない為、常に勤務時間に余裕がなく、終わらない仕事は誰かにお願いするしかありません。「あと30分残って仕事を片付けるかー」という育休前にできていた働き方はできなくなりました。
単純に給料が減り、責任のある仕事や昇進の機会が遠ざかるという話も聞きます。
一日中仕事と育児を頑張ってヘトヘトになるのに、社会的に認められる実感は得られにくいとなるとモチベーションの低下にも繋がるでしょう。
子育てや介護で困っている人が柔軟に働くことができる制度なだけに、不満の声を出しにくいという現状もあると思います。
夫婦で話し合って決めた妻の時短勤務。
フルタイム勤務をする側としては、こういった事情の理解と家庭へ貢献してくれている感謝の気持ちを持つことが大切だなと感じています。
育休で身につけた「家事力」
共働き家庭で最も重要なことの一つ、それは家事です。
育休前まではほとんど何もできなかった私ですが、育休のおかげでそれなりに上達し、今では5人家族の家事を一人でこなせるくらいになりました。ダメダメだった私に(あまり)文句を言わず見守って、育ててくれた妻には感謝したいと思います。
我が家の家事では役割を明確に決めていません。理由は「やることが当たり前にならないように」や「お互いに逃げ道を作っておきたい」あたりでしょうか。
どちらかと言えば好き・得意なことをやっている感じです。
例えば、洗濯ものを干す作業は、YouTubeを見ながらやることが好きな妻がやることが多く、妻が嫌いな食器洗いは私が担当することが多いです。
気分によって夫婦で取り合い、押し付け合い、小言を言い合うことは良くありますが、そんな中で気づいたこともあります。
それは、家事はやること自体は簡単でやれば誰でもできることだけど、主担当のルールとこだわりに合わせることが難しい(とてもストレス)だということです。
当たり前ですが、家事を全くやらない夫の意見は通るはずもありません。しかし、主としてやっていけば意見が通ってきます。妻としては家事がシェアできる分、言い分は通りにくいのでモヤモヤを抱えているのではないでしょうか。
とは言っても我が家の家事比率は6:4で妻が優勢。私は4の意見を言う感じです(いや実際は2くらいかも)。まぁなんとか円満にやれていると私は思っています。(妻がどうかはしりませんが)
またどんな小さな家事でも極力どちらともができるようにしておきます。たまにしかやらないことはスマホの共有メモに残したり、初めてやることは一緒にやったり。
そうすることで、例えどちらかが仕事で忙しくなっても、急病で倒れたとしても、家庭が回るようにというリスクへの対応もできるようになります。
育休で家庭にどっぷり浸らなければ、家事とこんなにも向き合うことはなかったでしょう。
たまにあるお弁当で、パパはキャラ弁を作ります
幼稚園/小学校の行事は楽しい
幼稚園、小学校には様々な行事があります。
運動会、生活発表会、授業参観、個別懇談、入園/入学説明会など。
仕事の都合で参加できないこともありますが、基本的に行事には夫婦2人で参加しています。
理由は以下です。
・子どもがとても喜んでくれる
・子どもの成長を感じられる
・行事での出来事が家族の思い出になる
・そもそも子どものことは夫婦でやるものである(私が子どもと関わりたい)
そしてなにより参加していて楽しい!
20代の頃は好きなアーティストのライブによく言っていましたが、それより楽しかったりします。家で頑張って練習している姿を見ていたり、話を聞いたりしていたので尚更です。
入園・入学式、運動会のような一大イベントには夫婦で参加している人を良く見かけますが、授業参観や個別懇談などにはパパの姿を見けることは少ないです。
これらの行事では普段の会話からではわからない、学校での子どもの様子や教室の雰囲気などを目にすることができますし、昔と変わらない教室の雰囲気に懐かしさを感じたり、授業中の先生の工夫に感激できたりすることも面白いところです。
しかし、最近ではそんな楽しい行事もコロナの影響で中止になったり、人数制限がされたりすることもあります。1人しか参加できない行事では、どちらかが参加できないこともでてきます。
「今は仕事が忙しいから次の機会に」と言っていると、もう次の機会はないかもしれないということを痛感させられた昨今の状況でした。
またコロナの影響から休園、休校になることもしばしばありました。
そこでは、夫婦お互いに家事・育児ができること、仕事では急なことにも対応できるようにしていたことなどが功を奏し、なんとか乗り切ることができました。
育休を発端に培ってきた家族の基盤がこういった緊急事態で効果を発揮することも実感しています。
「共働き子育て」は幸せなのか
生きる選択肢がいろいろある中で私たちは「共働き子育て」を選択しているわけですが、果たしてこの生活は幸せなのかと思うことがあります。
結論は、
良いことと大変なことが半々で幸せには近からず遠からずといった具合でなんだかしっくりきませんが、まぁそんな感じです。
短期的な目線だと、時折見せる幸せな瞬間を味わうことができますが、日々の暮らしに本当にいっぱいいっぱいです。
長期的な目線だと、働き続けることで得られる経済的なメリットや仕事のやりがいを得ることもあるでしょう。
子どもたちに「働くことって楽しいよ」という背中を見せていけるのも良い所だと思います。かといって働きすぎて家庭を顧みないと、きっと「働くって嫌なことだ」と思うでしょう。良いバランスで過ごしたいところです。
日本に約5200万世帯あるうち「3人以上の子どもを持つ世帯」は145万世帯と全体の約3%で、そのうち我が家のように「共働きで3人以上の子どもを持つ世帯」はそれ以下となるようです。(※厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概要」より)
想像していたより少なく、働き方の面では、その実態はなかなか理解されにくい部分もあるのかなというのが実感です。
だからといって「共働き子育ては大変だ!わかってくれ!」と言うつもりはありません。
どんな人生でも大変さはあり、誰もが必死に生活していると思います。
大事なのは様々な生き方・大変さを認め合って生きていくことではないでしょうか。(私自身も陥りがちですが「自分が一番忙しい」と思ってはいけませんね)
よく耳にする「子育ては小学校の高学年くらいになればだいぶ楽になる」という話。
これを信じて、あと10年はバタバタで幸せとは近からず遠からずのこのなんとも言えない時間を過ごしていければと思います。
次回は「育休・育児を通じてできた繋がり」について話していきます。
ではまた。
辻 竜也
5,152 views1988年生まれ、福岡県出身。15才で愛知県豊田市へ移住。製造業会社員として働く三児の父。2021年、子どもと参加した農体験で里山の魅力と課題を実感した経験...
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